先週最も読まれた記事は「金融資産500万円を持っていれば、ちょうど真ん中」。タイトルでは“500万円が真ん中”としているが、単純に平均値を取れば1259万円だという。貯蓄ゼロの世帯を入れてもこの数字ということは、お金というのはやはり、“あるところにはある”のだなあと納得する数字だった。
さて、先週記者は「IC CARD WORLD 2008」の取材にほぼ連日出かけていた。この展示会は東京ビッグサイトを全体を使った大規模なもので、実は「建築・建材展2008」「リテールテックJAPAN 2008」「JAPAN SHOP 2008」「SECURITY SHOW 2008」なども同時に開催されていた。
東京ビッグサイトは東西ホールに分かれている。IC CARD WORLDは東ホールで行われ、プレスルームはJAPAN SHOP 2008の入り口に設置されていた。プレスルームに行くたびにJAPAN SHOPも見ることになるのだが、通るたびに気になっていたのがこれだ。
赤い男女の裸体の上に液晶ディスプレイが付いており、世界各国の言葉で「いらっしゃいませ」という意味のメッセージが書かれている。「何のロボットだろう?」と思ったのだが、聞いてみたら「マネキンです」と答えが返ってきてちょっと驚いた。提供しているのは、マネキン販売を行う「ローザ」。JAPAN SHOPの入り口近くで、屋根にマネキンが乗っている派手なブースを構え、かなり目立っていた企業だ。
ローザによれば、マネキンの新しい用途として「コメントをする、メッセージを発する」という機能が求められているという。JAPAN SHOP入り口にあった赤いマネキンは、同社が作ったメッセージマネキンの第1号作品なのだそうだ。頭の部分が液晶パネルになっており、動画を流すことができる。
赤いメッセージマネキンは、1体1体胸部にDVDプレイヤーが埋め込まれている。どうしてもマネキンが重くなってしまうので、第2世代のメッセージマネキンでは、CFスロットを付け、コンパクトフラッシュに入れた動画を再生できるようにしたという。「30分くらいの動画を流せます。1体あたり1回(5日くらい)2万5000円で、リースで提供しています」(ローザ)
ローザではマネキン販売だけでなく、展示会レンタル事業を総合的に行っている。「服を着せるだけではなく、コメントするメッセージマネキンなら、アパレル以外の用途も狙えます。マネキンも分野を広げていかなくては」(ローザ)
せっかくなので、最近のマネキンのトレンドについても聞いてみた。「女性(マネキン)はスレンダーになり、よりスタイルがよいマネキンが求められるようになっています。また、メイクが今風になってきているという傾向もあります」
展示されていた女性マネキンは、身長170センチメートルとすらりと背が高く、しかも着ている服は7号サイズ(=S、M、LのSサイズ)。最近ではさらに小さい、5号サイズのマネキンも求められているそうだ。
面白いことに、今風のリアルなメイクを追求していった結果、抽象マネキン(顔のないマネキン)のリクエストが増えたという。「メイクをリアルにしていったら、服を選ぶようになってしまったのです。『この顔だと、カジュアルな服しか似合わない』とか。抽象マネキンだとその点、使い勝手がいいんでしょうね」
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