勝間和代氏が勧める、お金に働いてもらう金融商品(後編)ベストセラーの著者が語る(3/3 ページ)

» 2008年03月11日 08時18分 公開
[フィナンシャルリッチ特集取材班,Business Media 誠]
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勝間氏が勧める方法で、お金を貯めるといくらになる?

 日本人が保有する金融商品を見ると、まだまだリスク商品の割合が少ない。金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査」(2007年)によると、金融資産に対する投資信託の割合は6.2%に過ぎない。しかし2004年の調査を見ると、投資信託はわずか1.4%に過ぎず、3年間で4倍以上増えているのだ。今後は401kの導入によって、さらに投資信託へ投資する人が増えていくことだろう。

 勝間氏が勧める方法で、お金を貯めていくとどうなるだろうか? 30歳で毎月4万円ずつ積み立てていくとしよう。税金を差し引いて4%の金利で運用していけば、定年の60歳には2776万2321円となる。ここで注目してもらいたいのは、30年間の総積立額1440万円に対し、総利息額が1336万2776円とほぼ同額であることだ。「月々4万円を積み立てるのはツラいなあ」と感じられるかもしれない。しかし月々4万円の元手で、将来の8万円を積み立てていると思えば、少しは前向きに投資できるだろう。

 さらに定年後、この資金(2776万2321円)を元本に4%で運用すれば、いくらになるだろうか? 年間の金利収入は111万円で、毎月9万円ほどの収入となるので、年金以外の小遣いになるだろう。

金融に触れる機会を持つことが大切

 「日本が世界と戦えるのはモノづくりだ」といった意見を聞くことがある。確かに戦後の日本は製造業を中心に高度経済成長を果たしたものの、すでにひと段落し、成熟期に入ろうとしている。中国を中心に低コストで競争していくのには、どうしたらいいのだろうか。答えは、低賃金で長時間働かなければならないのだ。これまで以上に働いて、給料は下がるかもしれない事態に、我慢できる人は少ない。

 しかし日本人には、まだ使っていないスキルがある。個人が金融リテラシーを高めることによって、お金に働いてもらえばいいのだ。「諸外国とのコスト競争するために無理して働くよりは、労働時間を減らし、国民全体が豊かになる方向を目指したほうがいいでしょう」と勝間氏は提案する。そのためには普段の生活の中で「金融に触れる機会を持つことが大切になります」と話す。

 まずは金融を毛嫌いする先入観を払拭し、興味を持つことから始めるべきだろう。分散投資を基本とし、最悪の事態を想定してリスクを管理する。「タダ飯はない」ことを忘れずに、少しずつ金融のことを学んでいく心がけが大切であろう。

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