おサイフケータイ/FeliCaの利便性は、“タッチ”という直感的な操作で情報のやりとりや決済を行える点にある。データのやりとりを瞬時に行えるため、交通乗車券の自動改札機や本人認証など、スピードを求められる用途で使われることが多い。
ただし、おサイフケータイとFeliCaリーダー/ライターとの間でデータを送受信する際には、通信時にFeliCaチップのメモリ(約15Kバイト)内のデータを参照することから、大容量のデータを送受信することはできない。アクロディアのVIVID Touchは、アプリをFeliCaチップ内のメモリとつなげることで、FeliCaリーダー/ライターとおサイフケータイ間でより大きな容量のデータをやりとりできるようにするミドルウェアだ。
これにより、“さまざまな機器と携帯用アプリのあいだを、FeliCaでつなぐ”ということができるようになる。アクロディアブースでは、シールプリント機やフィットネスクラブのデータ端末、街頭情報端末をおサイフケータイを連携させるデモで、VIVID Touchの特徴をアピールしている。
VIVID Touchの利用にあたっては端末側にミドルウェアを組み込む必要はなく、アプリをダウンロードするだけで利用できるが、対応端末は第2世代のFeliCaチップを搭載したモデルとなる。ドコモの場合は903iシリーズ以降、auはTouch Message搭載機がこれにあたり、「端末の普及がこれから、というのが課題」だとアクロディア 技術部でマネージャーを務める鈴木氏は説明する。
若者を中心に人気のシールプリント機はインターネット対応が進み、今では撮った写真を待受画面として送る機能も備えている。しかし、利用者が端末に画像を保存するには空メールを送ってダウンロード用URLを入手したり、赤外線通信を利用したりと手間がかかる。こうしたデータのやりとりも、VIVID Touchを利用すれば、携帯とシールプリント機間の写真のやりとりが“タッチ”で行えるようになる。
ブースにはFeliCaリーダー/ライターを接続したプリンタと携帯電話が用意され、ケータイカメラで撮影した画像をタッチでプリンタに転送し、シールをプリントするデモを行っている。
端末内にある健康管理データとフィットネスクラブの情報を、“タッチ”でマージするというデモもユニークだ。携帯電話向けには、コンテンツプロバイダがさまざまな健康管理サービスを提供しており、端末機能として歩数計機能を備えたものもある。こうした健康関連のデータをフィットネスクラブのトレーニングメニューと連携させ、必要なトレーニングやその日のトレーニングプログラムをリコメンドするといった利用を提案する。
「駅などに設置されている情報端末を、VIVID Touchでおもしろくできないか」(鈴木氏)という発想から生まれたのが、街頭端末と携帯電話の連携をイメージしたデモだ。
知りたい周辺情報を携帯端末側でテキスト入力し、その情報をタッチで街頭端末に送ると、対応する情報が端末側に送られるというものだ。例えば「カフェ」と入力して街頭端末に情報を送ると、街頭端末のディスプレイには周辺の地図とカフェの場所が表示され、端末内にはそれぞれのカフェまでのルート情報やクーポンが送信されるというイメージだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PRアクセスランキング