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» 2008年02月22日 10時55分 UPDATE

“セレブ向けカード”の実態とは?:知られざる「プラチナカード」の世界 (1/2)

「プラチナ」「ブラック」といわれる最上位カードについて聞いたことがある人は多いだろう。しかし持っている人が極端に少なく、カード会社も積極的にPRしていないので、そのサービス内容はほとんど知られていない。プラチナカードとはいったいどういうものなのか? 取材で分かったことを紹介する。

[クレジットカード特集取材班,Business Media 誠]

 先に、「実はオトクなこともある? ゴールドカードについて考える」という記事でゴールドカードのメリットについて考えてみたが、クレジットカードにはさらにその上、プラチナカード、ブラックカードというクラスがある。プラチナカードやブラックカードは、持っている人が極端に少ない上、カード会社もサービス内容を積極的に情報公開していないため、サービスの詳細が知られているとは言い難い。

 一般庶民は持てないプラチナカードとは、どんなものなのか? その知られざるサービスについて、取材で分かったことを紹介しよう。

 →「実はオトクなこともある? ゴールドカードについて考える」

 →「クレジットカードの基礎知識」

プラチナカードにはどんな種類がある?

 一般に、ゴールドカードのさらに上位グレード、最上位カードに位置付けられているのがプラチナカードだ。三井住友カードの「三井住友VISA プラチナカード」や、JCBの「The Class」、アメリカン・エキスプレスの「アメックス・プラチナ」、シティカードの「Visaプラチナカード」などがあり、ステイタスカードらしいハイクラスなサービスを受けられる。

ay_platinum02.jpg 左が三井住友カード「三井住友VISA プラチナカード」(盤面デザインは2種類から選べる)、右がJCB「The Class」。盤面も高級感のあるデザインだ

 ちなみにダイナースには「ダイナースクラブプレミアムカード」というプラチナ・ブラック相当のカードがあるが、詳細は不明。またアメリカン・エキスプレスには、アメックス・プラチナよりさらに上の「センチュリオン」(ブラックカードと呼ばれることも多い)があるが、アメリカン・エキスプレスでは、その存在を公式に認めていない。

プラチナカードを持つにはどうしたら?

 上記のプラチナカードは、一般カードやゴールドカードのように、自分から申し込むことはできない。カード会社からのインビテーション(招待)を受けた人だけが持てる特別なカードだからだ※。

 入会資格は、三井住友VISAプラチナカードのように「年齢が35歳以上でゴールドカードを1年以上保有していること」といった比較的明確な条件があるカードもあれば、The Classのように「20歳以上で継続収入があること」というような、ほとんど条件といえないような条件を設定しているカードもある。

 プラチナカードを取得するにはどうしたらいいのだろうか? 基本的には、プロパー※※のゴールドカードを一定期間(たくさん)使い続け、滞りなく支払っていると、ある時、カード会社から「プラチナカードにしませんか?」というインビテーションDMが届く。それを受けると、晴れてプラチナカードホルダーとなる……という流れになる。

※自分で申し込める「プラチナカード」も、一部登場している。これについては記事末で紹介する。
※※プロパーとは、カード会社が単体で発行する自社ブランドカードのこと。詳しくは別記事を参照。

 どうしたらプラチナカードのインビテーションが届くのか。カード会社はそれぞれ独自審査で判断しているので、はっきりいってその基準はよく分からない。しかし、利用限度額が「500万円以上から(増えていく)」(三井住友VISAプラチナ)、「特には設定していない」(The Class、アメックス・プラチナ)といったことからも、毎月たくさんクレジットカードを使う人であることは間違いない。

 カード会社としても、「たくさん使っていただける方にはメリットがあります」(三井住友カード)、「たくさん使わない方がプラチナカードを持っても、カード会社も会員の方もお互いに不幸なだけだと思います」(アメリカン・エキスプレス)というスタンスだ。なお、アメリカン・エキスプレスでは「アメックスを庶民的なところで使うと、プラチナのインビテーションが届かないというのは誤解。1回あたりの決済が高額かどうかよりも、フリークエンシー(接触頻度)の方が重要」ともコメントしている。

プラチナカードのユーザー像とは? 年会費は?

 プラチナカード会員の、年齢や職業の分布についても各社に聞いてみた。はっきりしたデータは教えてもらえなかったが、中高年が多いのではという予想に反して、意外と年齢の偏りは少なく、どの年代にも満遍なく会員がいるという。また、職業は医者や弁護士といった専門職や、中小企業の社長などが多いが、海外出張の機会が多い会社員のプラチナカードホルダーもいるそうだ。目が飛び出るほどの年収がないとプラチナカードは持てない、というものでもないらしい。

 年会費は三井住友VISAプラチナ/The Class/シティ Visaプラチナカードは5万2500円。アメックス・プラチナやダイナースクラブプレミアムカードは公開されていないが、10万円程度のようだ。家族会員は、ゴールドカードの場合は1名だけ年会費が無料になるが、プラチナカードは家族の規定に沿っていれば、特に人数の制限なく無料で家族カードが発行される。

 この会費を高いと感じるか、安いと感じるかは人それぞれだが、実際にサービス内容を教えてもらうと、「それだけの価値があるなら意外に高くないかもしれない」と思わせるような、ユニークかつゴージャスなサービスが提供されている。まあ、そもそもプラチナカードを使うような人は、数万円程度の年会費を高いとは思わないのかもしれないが……。

お得な優待からコンシェルジュまで――どんなサービスが?

 以下、三井住友VISAプラチナとThe Classを中心に説明していこう。プラチナカードのサービスとしてよく知られているのは、海外の空港ラウンジサービスだろう。ゴールドカードの場合、利用できるのは国内空港のラウンジがほとんどだが(参照記事)、プラチナカードを持つと「プライオリティ・パス」が提供され、世界各国500カ所以上の空港ラウンジも無料で利用できるようになる※。このほか、海外旅行保険、ショッピング保険など各種付帯保険の最高額が、ゴールドカードよりも高くなる。海外旅行傷害保険は、だいたい最高5000万円〜1億円で、「カードを使って旅行代金を支払った場合」という条件が付かないものが多い。

※三井住友VISAプラチナの場合は、海外ラウンジサービス、専門医紹介サービス、食の逸品プレゼントサービスの3つから1つを選択するシステム

 またカード会社ごとに、さまざまな特典や優待を提供している。例えば、三井住友VISAプラチナの場合、三井住友カードがスポンサーとなっている宝塚歌劇団の公演にプラチナ会員用の席を常時キープしており、会員に優先的に販売している。また、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン内には、プラチナカード会員だけが利用できるラウンジが設けられており、ラウンジからアトラクションの「バックドラフト」に待たずに乗れる。プラチナカード会員なら、長い行列に並ぶ必要がないというわけだ。その他アトラクションの優先入場券も進呈しているという。

 どのカード会社でも共通しているものとしては、ゴルフや野球の観戦券、相撲の升席の優先販売、高級レストランや一流ホテルの優待、通常、一見さんは入れない料亭の予約サービスなどの提供が挙げられる。このあたりはラインアップに多少の違いはあるものの、各社とも同じような内容だ。

 なお、時代が変わるとともにプラチナカードを持つ人たちの意識も変わってきている。会員の満足度を上げるためにサービス内容を時代にマッチさせようという意識は、各社とも強く感じた。最近のトレンドは資産運用相談や健康相談だそうだ。

毎年豪華プレゼント、ジェット機チャーターといったサービスも

 The Class会員向けサービスの一番人気は、「クラスメンバーズセレクション」という年1回のプレゼントだ。これは1年に1回、カタログから選んだ好きな商品がJCBからプレゼントされるというもの。選べるプレゼントは、バカラのグラスやロイヤルコペンハーゲンなどの陶器、記念日に使ってもらえるようなホテルの宿泊券やレストラン利用券などだ。プレゼントをもらうのに「カードをいくら以上使うこと」などの条件はなく、The Classのメンバーであれば必ずもらえる。The Class会員ならすでに持っているんじゃないの? と思いそうなものもあるのだが、人はプレゼントといわれると無条件にうれしいらしい。確かに、年会費くらいの値段はしそうなものばかりなので、これだけでも十分、元が取れるだろう。

 ちょっとうらやましいサービスもある。The Class会員向けの「グルメベネフィット」は、指定されたレストランを2名以上で利用すると、1名分が無料になるというもの。つまり、2人で利用すれば半額だ。これと似たようなサービスでは、航空券をコンシェルジュを通して正規運賃で購入すると、もう1名分のチケットが無料で付いてくるというサービスもある。

 プラチナカード会員向け“らしい”サービスとしては、The Classやアメックス・プラチナが提供している「ジェット機チャーターサービス」などがゴージャスだ。The Classの場合は、ニューヨーク=日本間を9日間3000万円で利用でき、9名くらい乗れるのだとか。しかし、今まで一度も利用した人はいないそうだ。

コンシェルジュサービスはプラチナ会員向けならでは

 各社とも力を入れているのはコンシェルジュサービスだ。「御用聞きや秘書のように使ってください」ということで、コンシェルジュデスクが会員のさまざまな要望を、国内海外問わず、24時間365日、一対一で聞いて手配してくれる。

 航空券や劇場チケットなどの手配、レストランやホテルの予約といったことは当然で、そのほか多種多様な要望に応えてくれる。例えば「お客さんがホノルルのホテルに泊まるので、7時にシャンパンを届けてほしい」といったちょっとロマンチックなものや、「入手するのが非常に難しいコンサートのチケットを何とか手に入れてくれないか」といったものまで、さまざまなリクエストに応えてくれる。

 コンシェルジュサービスでどんな相談ができるかはカタログやカード会社のWebページに紹介されているが、掲載されていないものでも言ってみると対応してくれることが多いそうだ。例えば、アメックス・プラチナのホテル予約サービスというと、高級ホテルしか頼めないかと思いきや、実は手頃なホテルの予約もできるという。ちょっとほっとするエピソードだ。

 しかし、中には困ったものもあるという。例えば、会社のお客さんに“夜の接待”をしたいので紹介してくれ、という相談。また、「夜の9時から銀座でパーティを開くので、50人入れるお店を探してくれ」と、当日の夜7時にコンシェルジュに電話が入る、などといった相談は、さすがに無理だったとのこと。常識的に考えてできないものは断るが、それ以外は、独自のルートも生かして出来る限り対応するという。このコンシェルジュサービスは会員の評判もよく、利用率は年々上がっているそうだ。

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