音楽ダウンロード販売、2012年にCD抜く――Forrester予測

» 2008年02月20日 15時15分 公開
[ITmedia]

 2012年には米国の音楽ダウンロード販売がCD販売を超える見通しだ――米Forrester Researchが2月19日、このような報告書を発表した。

 「The End Of The Music Industry As We Know It(今日の音楽業界の終わり)」と題された報告書によると、デジタル音楽販売は今後5年間、年率23%のペースで伸びる見込み。2011年には米国で販売される音楽のうち半分がデジタル形式になり、2012年にはCD販売を追い抜くという。2012年のデジタル音楽売り上げは48億ドルに達し、一方CD売り上げは38億ドルにまで低下するとForresterは予測している。

 同社は、今後5年間の音楽売り上げをけん引する要因として、MP3プレーヤー、DRMフリー、SNSを挙げている。今後MP3プレーヤー購入は大半が買い増しや買い換えとなり、DRMフリー楽曲の販売はAmazon.comやAppleなどの草分けや大手オンライン音楽ストア以外にも広まると予測している。

 このほかForresterは、音楽ダウンロードが今後マスマーケットになる一方で、会員制音楽サービスは緩やかに成長し、2012年には売上高4億5900万ドルに達すると見込んでいる。広告付きの音楽ダウンロードをテストしている企業もあるが、imeemのようなDRMフリー楽曲とオンデマンドストリーミングを組み合わせたサービスに押されてなくなると予測している。

 「音楽業界は製品の定義を変えなければならない。業界幹部らは何年もCDセールスを注視してきたが、アーティストこそが製品だ――単なる製品の源ではない」とForresterの調査担当副社長で主席アナリストのジェームズ・L・マクベイ氏は述べている。同氏は、「Guitar Hero」などの人気音楽ゲームを挙げ、意外なところから新たな形の収益が生まれると指摘している。

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