実はオトクなこともある? ゴールドカードについて考える (2/3 ページ)

» 2008年02月05日 09時00分 公開
[クレジットカード特集取材班,Business Media 誠]

目に見えないメリット――高いステイタス

 ステイタスカードには、優待や特典といった目に見えるメリット以外に、「高いステイタス」という目に見えないメリットもある。上述の通り、ゴールドカード会員になるには一定の審査を通らなくてはならないわけで、ステイタスカードを持っていることがすなわち、支払い能力や社会的地位を(ある程度)保証しているということになるためだ。

 例えばJCBによると、海外発行を含む約5575万人のカード会員中、ゴールドカード保有者は300万人程度にすぎない。最近はゴールド以上のステイタスを持つカードが増えてきたため、ゴールドカードのステイタスは相対的に低くなっているという人もいる。しかし海外、特に米国ではゴールドカードの威力を感じるシーンに出会うことがある。

 例えば海外では、クレジットカードが身分証明書代わりとしての役割も果たすことも多い。パスポートやIDカードの代わりに、顔写真入りのクレジットカードで自分の身分を証明する(参照記事)というケースもあるだろうし、ステイタスの高いカードであればホテルでグレードの高い部屋に無料で替えてもらえるなどのケースもある(参照記事)。意外なところで“カードの力”が役立つことがあるのだ。

 カード会社によっては、一般カード会員用とは別にゴールドカード専用のカスタマーデスクを用意し、一般カード用会員向けよりも、さらにきめ細やかな対応ができるよう注力している。カスタマーデスクでは、熟練したオペレータが、ホテルやチケットの予約代行をしてくれたり、各種相談にのってくれたりする。「チケットを取るのが難しい人気公演を観たい」「急に出かけることになったが、今からではホテルを予約できるだろうか」といったときに、カスタマーデスクは力になってくれる。そのカードを使って決済することが前提になるが、困ったときには頼ってみるのも良いだろう。

カードを育てたいなら、本命のカードを決めて大事に使った方がいい

 自分が今持っている一般カードを、ゴールドカード、さらにその上位グレードのカード(プラチナカードなど)へ育てていきたいと思っているなら、提携カードではなく、その会社が発行するプロパーカードの利用が大前提となる。例えば「JCB The Class」ならJCBのプロパーカード、「三井住友VISAプラチナカード」なら三井住友カードのプロパーカードを利用している優良ユーザーにしかインビテーションが来ない。たとえ発行元がJCBや三井住友カードでも、提携カードの利用実績ではインビテーションは来ないのだ。

 インビテーションをもらえる条件は不明だが、定期的に(たくさん)使い続け、支払いをキチンと滞りなくすることが絶対だ。そのためには、カードはあまりたくさん持たず、決めたカードを大事に長く使い続けることだろう。

航空系カードをいくら使っても、プラチナカードユーザーにはなれない?

 航空会社の名前を冠した航空系カードも、航空会社とカード発行会社の提携カードの一種といえる。

 しかし、航空系カードは年会費が有料なものが多く、飛行機に乗ったりカードで決済したりして積極的にマイルを貯めるユーザー(いわゆる「マイラー」)が多く、一般的な提携カードに比べると、クレジットカードのヘビーユーザーであることが多い。航空系カードを発行しているカード会社数社に問い合わせてみたところ「プラチナ以上のカードのインビテーションは、プロパーのゴールドカードを利用していることが前提条件。それは、航空系カードでも他の提携カードでも変わらない」という回答だった。

 ただし、航空系カードの利用履歴を無駄にしない方法もあるようだ。あるカード会社では「複数カードを持っているお客様の場合、利用履歴はカードごとに分けるのではなく、お客様1人ずつで見ています。例えば航空系カードをとプロパーカードを両方持っていただき、その後プロパーカードに1本化していただければ、その方の履歴として(プラチナカードの)インビテーションに生かされるということはもちろんあります」と話していた。


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