カード嫌いが3枚のカードを持つようになるまで――吉岡綾乃あなたのクレジットカード見せてください

» 2007年12月28日 13時00分 公開

 ほかの人がどんな風にクレジットカードを使っているかは、なかなか知る機会がないもの。今回は年末企画として、Business Media 誠の執筆陣に登場していただき、どんなカードの使い方をしているか教えてもらいました。

 「あなたのクレジットカード見せてください」と題した年末特別企画。3回目に登場するのは、Business Media 誠の吉岡綾乃編集長です。

初めてカードを作ったのは海外出張のとき

――吉岡さんが持っているクレジットカードを見せてください。

吉岡 シティカードの「シティエリート」(VISA)三井住友カードの「三井住友VISAアミティエカード」(キャッシュカード一体型、VISA)JR東日本が発行するVIEWカードの一種である「ルミネカード」(JCB)の3枚です。これは作った順番です。

――メインで使っているのはどれですか?

吉岡 メインというほど使っていませんが、最近外で出すことが多いのはルミネカードでしょうか。シティエリートとアミティエは、引き落としとかネットショッピングに使うことが多いです。私、ちょっと前までほとんどカードを使っていなかったんですよ。

――どうしてカードを使わなかったんですか?

吉岡 もともと私は現金主義というか、クレジットカードがあまり好きではなかったんです。実家が商売をやっていた上、下町の問屋街で育ったこともあって、買い物は現金でするものだと刷り込まれているんですよね。クレジットカードって、毎月確実に同じ収入がある会社員の方向きのシステムだと思うんです。

――確かに、毎月の収入が不安定だとカードは安心して使えないかもしれないですね。

吉岡 この3枚も全部、必要に迫られて作ったものなんです。必要に迫られなかったら、今でもカードを使っていないかもしれない。

――カードを作る必要に迫られたって、何があったんですか?

吉岡 初めてカードを作る気になったのは、5年くらい前、年に数回海外出張に行くようになった頃です。米国はびっくりするくらいカード社会で「これはカードを持っていないとまずいかも」と生まれて初めて思いました。あと、シティバンクの銀行口座を持っていれば、世界中どこでも現地通貨でATMからお金を下ろせると聞いて、現金を両替するよりもいいかな、と思って。シティバンクの口座を持つと毎月2100円の維持手数料がかかるんですが※、月間平均して預金が50万円以上の人と、シティカードのゴールドカードを持っている人は、維持手数料が免除になるんです。

※現在は「e-セービング」という維持手数料が無料の口座もある。

――それでいきなりゴールドカードを作ったんですか?

吉岡 私が持っているシティエリートというのは、20代向けのいわゆる“ヤングゴールド”といわれるカードで、年会費が6300円。ホントのゴールドカードだと年会費が1万2600円かかるんですが、口座維持手数料よりは安いから、まあいいかなと思って作りました。しかも今は年会費をたまったポイントで払っているので、事実上年会費無料のカードになっているんです。

――でも吉岡さん、20代じゃないですよね?

吉岡 そうなんですよ……。「もう30代なんだから、ゴールドカードに切り替えますよ」ってシティカードが言ってきたら、考え直そうかなと思ってるんですが。何も言われないので、そのままズルズル使ってます(ゴメンナサイ!)。

EdyとモバイルSuicaがなかったら、カードは多分増やさなかった

――他のカードはどうして作ったんですか?

吉岡 次に作ったのは三井住友カードのアミティエですが、これも仕事がなければ作っていなかったと思います。数年前まで私はITmedia +D Mobileにいて、携帯電話関連の記事、特におサイフケータイの記事を書くことが多かったんです。当時は“おサイフケータイといえばEdy”という感じで、自分でもできるだけおサイフケータイでEdyを使うようにしていました。最初は現金でチャージしていたんですが、頻繁に使うようになると、現金チャージは面倒になってきます。そこでシティエリートでクレジットカードチャージをしようと思ったのですが、外資系のカードには対応していなくて。

 ちょうど三井住友銀行の口座を作る必要もあったので、「キャッシュカードとクレジットカードの一体型ならカードも増えないな」と思ってこのカードを作りました。アミティエは女性限定のカードなんですが、携帯電話の支払いはポイントがたくさん付くのも良かった。仕事柄、携帯をいっぱい持ってましたから。カードを作ったちょっと後に三井住友カードiDが始まったので、今はiDもこれで使っています。

――ルミネカードを作った理由は?

吉岡 これもFeliCaです(苦笑)。2006年の1月にモバイルSuicaが始まったんですが(参照記事)、どうしてもサービス開始初日から使ってみたかった。今でこそいろいろなカードが使えますが、最初はモバイルSuicaを使うためには、JR東日本が発行するカードを持っていなくてはいけなかったんです。普通のVIEWカードも検討しましたが、ときどきルミネで買い物をするので、これにしました。ルミネの買い物が5%オフになるほか、年に数回10%オフになる期間があるんです。

――どういう方針で使い分けているのでしょう?

吉岡 携帯電話代金や通信カード代の引き落としや、Amazonやbk1、楽天などのネットショッピングはシティエリートとアミティエが半々くらいです。あとはFeliCa決済ですね。EdyとiDはアミティエから払っていますし、モバイルSuicaはルミネカードからチャージしています。

 ルミネカード……というかVIEWカードは(モバイル)SuicaのチャージやJR東日本のみどりの窓口できっぷを買ったときにポイントが3倍付くんです。だから長距離きっぷを買うときはいつもルミネカード。この間青春18きっぷをルミネカードで買ったときは、我ながら「何か間違ってる」と思いました(笑)。

 最近はお店でもカードを使うことが少しずつ増えてきました。3000円以上で、手持ちの現金が少ないときには使います。食事の支払いか、洋服・靴を買うときが多いです。ルミネの競合店以外であれば、ルミネカードを使うことが多いですね。

――たまったポイントは何に使っていますか?

吉岡 シティエリートとアミティエのポイントは年会費に充当するくらいで、あとはそのまま繰り越しています。ルミネカードのビューサンクスポイントはSuicaに替えてます。VIEW ALTTE(ビューアルッテ、駅などに設置されているATM)でSuicaに替えられるのが面倒がなくていいです。

海外でカードを使う人には顔写真入りがオススメ

――カードのオススメな使い方があれば教えてください。

吉岡 カードの裏面に顔写真が入れられるものがあります。私が持っているのだとシティカードと三井住友カードが対応していますが、特に外国で使いたい人には、写真入りカードはオススメです。

 日本だと、サインすらきちんと確認しないお店も多いですが、米国のお店でカードを出して買い物をすると、かなり丁寧に本人確認をされるんです。クレジットカードだけでなく、パスポートの提示を併せて求められることもよくあります。パスポートの顔写真と本人を見比べるんですよ。顔写真入りのクレジットカードだと、パスポートを出さなくても済みます。

 あと、海外で使う場合はカードの国際ブランドにも気を遣ったほうがいいと思います。国や地域によって、強いブランドと弱いブランドがあるんです。JCBは日本発のブランドなので、海外に行くと使えないケースが多いです。米国だとAMEX(アメリカン・エキスプレス)が非常に強いですが、アジアでは受け付けてくれないところが多いですし。世界中どこでも万能なのは、やっぱりVISAですね。よく「VISA、Masterが最強」と聞きますが、タイや台湾ではMasterを出して断られている人を見ました。欧州だと、Masterはとても強いらしいですけど。

――何かカードについて困っていることはありますか?

吉岡 FeliCa決済関係が何でも使えるクレジットカードを切望してます……。仕事柄、首都圏で使えるFeliCa決済は全部試していますが、特にiDやQUICPay、VISA TOUCHといったFeliCaクレジットは、対応カードがまだまだ少ないので困ってます。今はEdyとiDは三井住友カードに、モバイルSuicaはルミネカードにひもづけて使っていますが、私の持っているカードだとQUICPayやVISA TOUCH(スマートプラス)が使えないんですよ。仕方がないので家族のカードにひもづけて登録して、あとから使った分だけ現金で精算する、という悲しい方法を取っています。

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