ビジネスパーソンは“歯並び”も命

» 2007年12月13日 08時12分 公開
[伊藤緑,Business Media 誠]

 最近、男性用化粧品や男性向けエステのテレビCMをよく目にするが、今回チェックするのは“歯並び”について。あなたは自分の歯並びをどれくらい意識したことがあるだろうか? 欧米では子供の頃に、歯の矯正をする人が多い。日本は欧米ほどではないが、ブレース(矯正装置)を付けている女性をよく見かける。それでは男性の矯正事情はどうなっているだろう。

外見に気を付ける男性が増えている

 歯と歯並びのためのお役立ちサイト「えくぼ☆マガジン」の編集人である冨部志保子氏によれば「大人の男性が歯の矯正を行う割合は、少しずつだが増えている」とのこと。治療を始めた理由として「かみ合わせが悪くしっかりかむことができない」など機能的なことを挙げる人が多い。一方で、外見を気にしている人もいる。

 歯並びが悪いと磨き残しが増え、そこから虫歯などの病気につながる可能性も高い。中高年の10人中8人がかかっているという歯周病は、口臭の基となるばかりか、歯を失う原因にもなるため、注意が必要だ。

 また、歯の矯正が当たり前になっている欧米人からみると、「なぜ日本人は歯の矯正をしないのか?」と不審に思うことも多いというから、外国人ビジネスパーソンと海外で仕事をすることが多い人は気を付けたい。歯の矯正をしている人は、健康に対して「前向きである」というイメージが持たれ、ビジネスにとってプラスになる――これが欧米社会の現実なのだ。

費用は45〜120万円くらい

 大人の場合の治療期間は平均2年半で、通院は月1回が目安。費用は一部の例外を除き、健康保険が適用されないため、45〜120万円かかる。治療方法については、抜歯するというイメージがあるが、非抜歯で矯正を行うこともある。ブレースに関しても、裏側から付けて目立たなくする方法や、マウスピース式のもので矯正をすることもある。初めは痛みを感じるが、ブレース装着から3〜4日で、ほとんどの人が慣れてくる。

 いずれにせよ治療を考える際は、いくつかの矯正歯科医に相談した上で、自身が納得して治療に入ることが大切だ。「病院選びの際には、さまざまな臨床例の治療実績がある単科専門開業医(矯正のみを行っている病院)がお勧め」(冨部氏)。また、治療が長期に渡るため、医師との信頼関係も大きく関係しそうだ。

 時間も費用もかかる矯正だが、治療後は、顎のラインがスッキリすることで、印象が若くなることも。特に営業マンは、第一印象が大切。きちんと並んだ歯で挨拶ができれば印象もアップする。そのメリットを考えれば、費用は決して高額とはいえないかもしれない。

治療を受ける男性の割合が増えている(日本臨床矯正歯科医会神奈川支部会員45施設に対してのアンケート。日本臨床矯正歯科医師会雑誌 Vol.17 )

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