「臨時国会」と「通常国会」って、どこが違うの?

» 2007年11月21日 10時21分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 海上自衛隊によるインド洋での給油活動を再開させる「新テロ対策特別措置法案」が11月13日、衆議院本会議で可決され、舞台は参議院に移った。政府与党は11月21日現在、臨時国会を再延長して、テロ対策特措法の成立を目指している。

 それにしても「臨時国会」って、どういう意味だろうか? “臨時”というからには、必要に応じて国会を開いているのだろうが、“通常国会”や“特別国会”とはどう違うのだろうか?

通常国会、臨時国会、特別国会の違いとは

 国会には通常国会・臨時国会・特別国会の3種類があり、いずれも内閣が召集を決定する。

 通常国会は毎年1月に召集され、次年度の国家予算やその予算を通すために必要な法律案を審議する。会期は150日で、延長できるのは1回だけ。

 臨時国会は、法律案や補正予算などを審議するために開かれるもので、特に会期の規定はない。必要に応じて閣議決定で召集できるほか、衆議院または参議院議員の4分の1以上から要求、総選挙や参議院議員の通常選挙の後にも、内閣は召集しなければならない。臨時国会は定期的に開催する必要はないが、1948年からほぼ毎年のように実施されている。

 特別国会は衆議院議員の総選挙後に召集される。召集日に衆議院の議長や副議長を決めるほか、両院で内閣総理大臣が指名される。会期を延長できるのは2回までと決められている。

 通常国会と臨時国会、いずれも予算や法律を審議しているわけだが、見た目で違いが分かるのだろうか。「臨時国会では景気対策として、補正予算を編成します。討議は通常国会と同じで、委員会から提出された法案を話し合うという形なので、国会中継を見ても区別は付きにくいでしょうね」(衆議院広報)。このため臨時国会と通常国会の国会中継を見ても、区別がつきにくいという。

政府予定は“第3ラウンド”の準備

 今の臨時国会は、テロ対策特措法を審議しているため、“盛り上がり”を見せている。また臨時国会は2回まで延長することができ、政府与党は法案を通すため、“第3ラウンド”の準備を整えている状態だ。

 ちなみに国会の呼び方をご存知だろうか? 現在開かれている国会は「第168回臨時国会」と呼ぶ。これは1947年5月20日に召集された「第1回特別国会」から、通常国会、臨時国会を区別せずに、開催された順番に数えているのだ。

国会 内容
通常国会 毎年1回、1月に予算編成のため召集される
予算案や法律の審議を行う
通常、3月末日までに次年度の予算を成立させる
会期は150日間で1回だけ延長ができる
臨時国会 必要に応じて召集されるほか、衆議院または参議院の総議員の4分の1以上の要求、総選挙や参議院議員の通常選挙の後にも召集する
補正予算の編成や法案審議を行う
会期延長は2回まで
特別国会 総選挙の日から30日以内に召集される
議長や副議長などを選出するほか総理大臣指名選挙を行う
法案は審議しない
会期延長は2回まで

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