公務員の不正を暴く「会計検査院」とは?

» 2007年11月15日 16時24分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 公務員のカラ残業や予算を流用して裏金を作る――。公務員がでたらめな税金の使い方をしているのかと思うと、憤りを感じる人も多いだろう。こうした不正経理にメスを入れるのが会計検査院だ。会計検査院が発表した2006年度の検査報告によると、公務員に指摘した数は451件、総額で310億6420万円に達した。

 「もっと公務員の不正を暴いてほしい」と願うが、会計検査院とはどんな仕事をしているのだろうか?

調査官880人が検査をする

 会計検査院は内閣・国会・裁判所に属さない、外部監査機関という位置付け。公務員が予算や法律に従って、きちんと会計処理をしているかどうかをチェックし、国が出資している政府関係機関や財政援助をしている都道府県などを検査している。対象先は実に5000以上。そこへ約880人の調査官が手分けして検査を行い、不正を見抜くのだ。

 検査は書類で確認するだけでなく、現場に出向くこともある。「効率を考えて検査対象先には事前に報告している。調査官2人以上で動くのが原則で、5〜6人で検査することが多い。毎年、11月から翌年の8月まで全国を回っている」(広報)という。そこで不正が見つかれば、検査報告として内閣を通じて国会に提出されるという流れ。

会計検査院を検査するのは財務検査課

 会計検査院は不正をしていた団体を見つけると、適正な処理をしているかを確認するため、後日再び検査に入る。中には会計検査院からの指摘を無視したり、証拠書類を破棄するといった悪質な事例もあるそうだ。こうした案件に対して、会計検査院は検察庁に通告しなければならない、と法律で定められている。しかし通告した事例は少なく「不正を発見した前後に、すでに処分しているケースが多い。そのため検察庁には通告していない」と、やや歯切れが悪い。

 ちなみに会計検査院の会計を検査するのは誰か? 「会計検査院に財務検査課という部署があり、そこが検査をしている」。身内での検査となるため、手心を加えているのでは? と聞いてみると「以前は年1回だったが、現在では年2回の検査で厳しくしている」そうだ。

会計検査院は国会・内閣・裁判所から独立している

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