史上最“辛?”体験、してきました

» 2007年10月18日 01時48分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

「早くしなっ! いつまで食べてるんだいっ」

 ゴスロリ風衣装に赤いムチといういでたち、恐ろしげな化粧を施した女性に誘われて、辛い食べ物や飲み物を食べる……という得難い体験をした。場所は東京の北青山。赤い服をまとった魔女に連れて行かれた地下のバーで行われていたのは、ご存じ、東ハトのスナック菓子「暴君ハバネロ」シリーズの新製品2種類の発表会だ。

 会場に入ると「水は用意しておりません。体調が悪い方は気を付けてください」といった注意書きがある。少々緊張しながら暗い店内の中を進み、神妙な面持ちで新製品の味見をさせてもらった。

「暴君ハバネロ」新商品の発表会にいた女性。彼女たちに「まだ食べてるのかい!」「辛いだろ!」と怒られながら試食をする。まったく、どんだけツンデレなんですか(笑)

 暴君ハバネロシリーズも“激辛”がウリだったが、新商品は両方ともさらに辛いのがポイント。「超暴君ハバネロ 辛さ2.0倍」は製品名通り、既存の暴君ハバネロに対して2倍量のハバネロピューレを練り込んだ辛い味のスナックだ。

 もう1種類の新商品は「大魔王ジョロキア」。2006年の秋に「世界一辛い唐辛子」としてギネスブックに載ったばかりの“バフット・ジョロキア(Bhut Jolokia)”という唐辛子を使ったスナック菓子である。

 2商品はいずれも51グラム入りで、予想販売価格は100円前後。10月29日から、コンビニルート限定で販売される。

 両方試食してみたが、「超暴君ハバネロ 辛さ2.0倍」はオーソドックスなコンソメ味がベースなのに対し、「大魔王ジョロキア」は酸味が強く効いたチリソース味。辛くて酸っぱいジョロキアは、ちょっと食べたことのない味で記者の好みだった。

 ――と、ここまで淡々と書いていることでお気づきの方もいるだろう。記者はめっぽう、辛い食べ物に強いのだ。新商品は2種類ともおいしくいただいたが、記者の後ろではうめき声や叫び声が上がっていた。辛いモノに弱い方は、くれぐれもお気を付けを。

社員は全員特殊メイクでイベントに臨んでいた。ちなみにこのメイク、1時間くらいかかったそうで……お疲れ様です(左)。手前にある「超暴君ハバネロ 辛さ2.0倍」は周囲がギザギザ、奧の「大魔王ジョロキア」は周囲がフラットに仕上げられており、食感も異なる

「暴君ハバネロの旨スープ」はサントリーとのコラボ商品

サントリー「暴君ハバネロの旨スープ」

 この日発表された新製品はもう1つある。サントリーの缶入りスープ飲料「暴君ハバネロの旨スープ」だ。

 名前から分かるように、これは東ハト「暴君ハバネロシリーズ」とのコラボレーション商品。トマト味ベースでピリッと辛い。

 「このスープおいしいですね〜。全然辛くないですけど」と話しかけたらちょっと残念そうにしていたのは、サントリー食品カンパニーの木村穣介氏。「暴君ハバネロのブランドを使った商品ですからもちろん辛さを生かした味付けにしましたけど、缶入り飲料なんですから、飲んだ瞬間にむせ返るようなものにはできないじゃないですか」と話していた。

 暴君ハバネロの旨スープは、11月6日から全国で販売される。年間販売目標は30万ケースと、「スープにしてはかなり多い」(木村氏)設定だ。「暴君ハバネロという面白いブランドを、飲料で作るとしたら何がいいだろう? と考えてチリトマト味のスープになりました。実はこれ、冷やしてもおいしいので、夏はコールドでも出そうと思っています」(同上)

辛いのは得意なんだけど……

 ところでこの発表会、手順としてはまず「暴君ハバネロの旨スープ」を試飲し、奧のブースで「超暴君ハバネロ 辛さ2.0倍」と「大魔王ジョロキア」を試食したあと、最後にバーカウンターに行くことになっていた。

 バーカウンターで待ち受けているのは、大魔王ジョロキアに使われているバフット・ジョロキアの粉を溶かした水入りの小さなコップ。これを飲み干すようにいわれる、という趣向。

暗くて分かりにくいが、バフット・ジョロキアの粉末を溶かした水。これはかなり辛い

 口に含んでみると、ピリピリと舌に強い刺激はあるが、飲めない辛さではない。コップに半分くらい飲んだところで異変が起きた。

 「キヒィィィィィィィィ!!!」と、文字にするのが難しい奇声をあげて、隣のソファに置いてあった人形が起きあがったのだ! 辛いモノには強いが、お化け屋敷は大嫌いな記者は、びっくりして思わず手に持っていたコップをひっくり返し、残っていたバフット・ジョロキア入りの水をバーカウンターにぶちまけてしまった。しかも、自分も人形に負けず劣らず変な声を上げながら……。

 「ここでバフット・ジョロキア水を飲み干さなかったら女がすたる」と思っていたのに、こぼしてしまって結局飲み干すことができなかった記者。「辛いモノに強い、って言えなくなっちゃったなあ」と思いながら、雨の中、会場を後にしたのだった。

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