全日本空輸(ANA)は10月2日、同社のマイレージプログラムである「ANAマイレージクラブ」を、2008年4月1日からリニューアルすることを明らかにした。
リニューアル内容は多岐にわたり、かなり複雑な内容になっている。主な変更内容は、以下の通りだ。
以下、導入時期ごとに分け、従来のプログラムと比較しながら、新しいマイレージプログラムについて紹介する。
ANAプレミアムメンバー(ダイヤモンドサービス、プラチナサービス、ブロンズサービスメンバー)への到達基準が、従来の「プラチナポイント」から「プレミアムポイント」に変更される。また、搭乗回数による条件もなくなる。例えばANAブロンズサービスへの到達基準は、従来「30回以上かつ1万プラチナポイント以上」または「3万プラチナポイント以上」だったが、2008年1月からは「3万プレミアムポイント以上」に統一される。
プレミアムポイントは、以下の式で計算される。搭乗ポイントは、搭乗クラスや運賃(航空券の種類)などに応じて付けられるボーナスポイント。
「区間基本マイレージ」×「搭乗クラス・運賃倍率」×「路線倍率」+搭乗ポイント
このほか、旅達会員になると、割引運賃(旅行系など)で乗った場合の獲得マイルが5%増える。
マイル有効期限が「翌々年の年末」から「利用月から数えて36カ月先」へ変更される。また、従来特典航空券に交換するのに必要なマイルは、国内線は一律1万5000マイル、国際線は旅程ゾーンごとのマイル数だったが、いずれも距離に応じて必要マイル数が変動する仕組みになる。このとき搭乗日が、ハイシーズン(繁忙期)、レギュラーシーズン、ローシーズン(閑散期)のいずれに属するかでも変わってくる。国内線の普通席の場合、例えば以下のようになる。
全旅程の距離(マイル) | ローシーズン | レギュラーシーズン | ハイシーズン |
---|---|---|---|
0〜600(東京−大阪等) | 1万1000 | 1万2000 | 1万5000 |
601〜1600(東京−札幌等) | 1万2000 | 1万5000 | 1万8000 |
1601〜2000(東京−沖縄等) | 1万4000 | 1万8000 | 2万1000 |
これまでと違い、繁忙期を含め一年中利用できるようになったのは良いが、長距離利用の場合は必要なマイル数がかなり増えることになる。
また、ANAゴールドカードを継続する場合のボーナスポイントも変更される。これまでもANAゴールドカードを継続する時に2000マイルのボーナスマイルが付いたが、これに加えANAゴールドカード会員で、かつANAプレミアムメンバー(ダイヤモンドサービス、プラチナサービス、ブロンズサービスメンバー)であれば、2000+2000マイルが付くことになった。
さらにダイヤモンドサービス会員向けに、特典が多様化して選択可能になるほか、2009年3月末までのキャンペーンとして、特典航空券に必要なマイルの2倍を使えば、空席がある限り、搭乗前日まで席を予約できるというサービスを提供する。
2008年秋から、「eクーポン」と称して、オンラインで利用できる航空券専用の電子クーポンを導入する。
またアップグレードポイントを強化。これまでANAプレミアムメンバーに付くアップグレードポイントはステータスごとに一定だったが、2009年4月からは「ステータス+プレミアムポイント獲得数」によって決まることになる(参照リンク)。
ANAのマイレージプログラムは、2003年から電子マネー「Edy」に対応するなど、身近に感じられ、ためやすいマイレージプログラムを目指してきた経緯がある。8月現在、ANAマイレージクラブの会員数は約1630万人、提携店舗は約9万店だ。
今回のリニューアルも、マイルの有効期限を延ばす、使えない期間をなくすなど、「よりためやすく」という延長線上にある。その一方で“国内短距離の移動を繰り返してマイルをため、特典航空券で長距離便に乗る”“距離が長い路線(欧米線など)を中心に使うが回数は少なめ”という人などは、従来よりも使い勝手は悪くなる。
長期にわたるリニューアルだが、上述のように最大の変更は2008年4月から。現在ANAのマイルをためている人は、まずは手持ちのマイルをカウントしてみてはいかがだろうか。
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