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» 2007年09月28日 20時21分 UPDATE

ソトコト+築地本願寺=カフェ・ド・シンラン

雑誌「ソトコト」がプロデュースするカフェが東京・築地本願寺の境内にオープンした。テーマは「ロハス」。環境負荷の小さいデザイン設計、フードマイレージの考慮などにより自然環境との共生を目指す。

[土肥義則,Business Media 誠]
yd_shinran.jpg 「人と自然環境のつながりを大切にする」と説く築地本願寺の山内教嶺氏(右)、ソトコトの小黒一三氏(左)

 「ここにレストランができるのは当然の流れ」――築地本願寺の山内教嶺(きょうれい)副輪番は、境内にイタリアン・レストランがオープンしたことについて、こう触れた。

 9月21日、築地本願寺境内にある親鸞像の横に、自然食材を使った「カフェ・ド・シンラン」がオープンした。同店のテーマは「仏の教えはロハス(環境や健康を優先した生活)」。都市において環境と共生するエコハウス型の店舗で、「自然採光」と「自然空調」の2つの特徴を持つ。同店を運営しているのは、環境問題などを紹介する雑誌「ソトコト」の編集を手がけるトド・プレス。環境に配慮した設計や、国内産の食材を扱うことに、築地本願寺側は檀家(だんか)を含め賛同し、境内での店舗設置が実現した。

正直、実現できるとは思わなかった

 同店は、東京・丸の内ビルで営業をしていた「ソトコトLohas Kitchen & Bar」(2006年12月で閉鎖)のコンセプトである“スローフード”を引き継ぐ。ソトコトの小黒一三編集長は「今年の4月にお店の構想が浮かび、築地本願寺に打診した。正直言って、実現できるとは思わなかった」と振り返る。築地本願寺にとっても境内にレストランを設置するのは、初めての試み。店舗を設けるにあたり、税制上の諸問題など手続きに時間を要したそうだ。

yd_shinran1.jpg 店舗は環境に配慮したデザインを採用している

 食材はフードマイレージ※の観点から、国産にこだわった。国内産16種の雑穀米や農家から直送される無農薬・減農薬野菜を中心に、「旬の食材を使ったヘルシーなメニューをそろえている」と店長はアピール。ランチは「本格インドカレー」のみで、1日限定60食、ディナーは肉や魚料理をメインに1日平均40〜60人が来店している。

※フードマイレージ:生産地と消費地が近いと、輸送に関係するエネルギー(CO2など)を削減できるという考え方。

通常の飲食店と比べ、電力使用量を50%削減

yd_shinran2.jpg スタッフは来店客とのコミュニケーションを大切にしているという

 店舗のデザインや設計は、「ロハスクラブ」※が開催しているロハスデザイン大賞※などで培ってきたノウハウやアイデアを反映した。店舗デザインの特徴は、3方面にアクリル板を使ったスケルトン構造。境内周辺は高い建物がなく自然の光が入ってくるため、ランチの時間から日没まで、なるべく照明を使わない設計となっている。環境に配慮した空間を作り上げたことで、「通常の飲食店と比べ、電力使用量を50%削減できるのではないか」と小黒氏は期待する。

※ロハスクラブ:環境や健康を優先した生活を送る人やモノ、活動を認定している公式の団体。
※ロハスデザイン大賞:持続可能で快適なライフスタイルなどを構築している企業活動や、製品、個人の活動を表彰している。

 店内の空調も環境負荷を抑えた設計で、壁面のうち3面の上部に風を通すすき間を設けた。外気を取り入れ天井にある2基のシーリングファンによって、店内の空気を循環させている。これにより店内のフロアにはエアコンを設置せず、自然の空気で循環している(キッチンとトイレ内にはエアコンを設置)。

 10月中旬からは、風力や水力などで作られたグリーン電力を使用する予定だ。「電気の使用分だけグリーン電力を購入すれば、CO2排出量は削減される。ここまで環境に意識したレストランは東京では初めて」と小黒氏は話す。

 店舗の総工費は約4000万円で、スタッフは5人。1日の売り上げは25万円を目標に掲げ、「赤字を出さないことも重要」(店長)としている。営業期間は12月末までで、その後店舗は撤去する。

 築地本願寺の山内氏は、仏教と同店との出合いについて「別々のようであるけれど、実際は切り離すことができない存在」と説明。さらに同店のことを、「現代に生きる私たちが目指すべき循環型経済社会の宝庫」と歓迎した。

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