洗濯の時間、買いますか?キャスター・目黒陽子の「今、これが気になる」

» 2007年09月21日 13時03分 公開
[目黒陽子,Business Media 誠]

著者プロフィール:目黒陽子

フリーアナウンサー(ライムライト所属)。大和証券SMBCを経て、ファイナンシャルプランナーの資格を取得後、キャスターへ転向。NHK総合「お元気ですか日本列島」「BSニュース」などを担当し、政治・経済など、情報を伝えることの大切さと難しさを学ぶ。現在は日本テレビ系列で土曜朝8時から放送されている情報番組「ウェークアップ!ぷらす」(読売テレビ制作)にて司会を担当している。同じくアナウンサーの滝川クリステルは従姉妹にあたる。ブログ:http://www.fpcaster.com/


 毎日の家事って本当に大変ですよね。仕事を持つ主婦だけでなく、1人暮らしのお父さんや独身の男性も「ラクにならないかな」と思っている人は多いのでは。そんな人のために、割安で行き届いた代行サービスが増えてきています。

 最近の洗濯機は全自動なので、昔の人からすれば「ぜいたくだ」と思われるかもしれません。それでも忙しい現代人には、洗濯して、干して、たたんで……という作業は本当に面倒くさいことですよね。私も仕事から帰って山積みの洗濯物にアイロンをかけながら、「このポロシャツ、クリーニング屋さんに出しちゃおうかな〜、いやもったいない」――何度もそう思ったことがあります。

 このような人たちの気持ちを汲み取って新たに出てきた代行サービスが、「Deli Wash(デリウォッシュ)」。これまではクリーニングに出すのは、家で洗えないようなスーツやジャケットなどでした。ところがDeli Washでは、下着やTシャツなど、日常の洗濯物を頼めるのです。

 専用の袋(6キログラム収納可能)に洗濯物を詰め込んで出すと、洗濯、乾燥、そしてきれいにたたんで返してくれます。ポロシャツなら30枚ほど入るというので、1人暮らしの人なら1〜2週間分の容量です。その袋を直接持ち込めば税込みで1600円(24時間受け付け)、集荷配送なら同2380円から。

 さらにアルコール除菌をして、2日ほどで仕上がります。多少のお金をかけて時間を“買う”ことができるのです。男性の1人暮らしなら、どんどん下着を出すかもしれませんね。女性はさすがに無理かもしれませんが、アイロンが省けるのはありがたい。

 お年寄りの方や育児で忙しい方などにとって、洗濯代行サービスは喜ばれるのではないでしょうか。ちなみに我家は毎週、夫婦でテニスをするので、Tシャツの量が半端じゃありません。

洗濯物を代行して洗ってくれるDeli Wash

女性だってモーニングコールで癒されたい

 私の知人も代行サービスを利用します。こちらは洗濯ではなく、朝の“モーニングコール”。

 最近は忙しく働く女性たちがこのサービスを自宅に頼んでいるというのです。1カ月3000円程度で、2度寝防止サービスもあるそうです。「お金を払ってまで、起こしてもらうなんて」と思いましたが、最近、不眠症で悩む女性が多いそうです。彼女もその1人で、睡眠薬など薬を飲んでしまうと朝が辛く、目覚ましだけでは起きることができない、というのです。女性の社会進出が進んでいますが、ストレスによるひずみも出ているようですね。

 モーニングサービスでは、コールしてくれる人を選ぶことができ、事務的に起こされるのではなく、軽い会話をしてくれるそうです。気心の知れた人に毎日起こされて、数分会話をすることで毎朝癒されるかもしれません。

 男性なら女性に、女性なら男性に、優しく起こされるというのも悪くないですよね。中には上司に怒鳴られるように起こしてほしい、という方もいるかもしれませんが……。

便利に慣れすぎて怖いような

 お金を払えばなんでもできてしまう時代って、正直怖い気もします。でも、お金はあるのにストレスを抱えて、心身ともに健康でないのは問題。それであれば「お金で時間を買うんだ」と考えれば気が楽になるのではないでしょうか。

 夫婦共働きの家庭や、お年寄りがお年寄りを介護する老老介護などであれば、心を豊かにするためにお金を使うことも大切です。そこをターゲットにしたビジネスは、今後ますます広がりそうです。

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