調査リポート
» 2007年09月19日 17時26分 UPDATE

「無断欠勤2週間」で7割、「飲酒運転」で4割の会社が懲戒解雇

暴力や飲酒運転などの社会問題を起こした社員に対して、懲戒解雇を適用する企業が増えているようだ。また懲戒解雇の場合、75%の企業が退職金を全額支給しないと回答している。労務行政研究所の調べ。

[Business Media 誠]

 会社の金を横領した社員に対し、7割以上の企業が懲戒解雇を適用していることが、労務行政研究所の調査で分かった。懲戒解雇となった場合の退職金については、4社に3社が全額不支給と回答。同研究所の「退職金・年金制度総合調査」によると、大学卒の自己都合退職金は勤続20年で約680万円、同30年で約1640万円、定年退職では約2240万円に上る。「懲戒解雇によりこの退職金がもらえなくなるということは、社員にとって大きなダメージ」と同研究所では指摘している。

 調査機関の労務行政研究所は、「懲戒制度に関する実態調査」を実施した。調査対象は上場企業(新興市場含む)3821社と、上場企業に準ずる非上場企業(資本金5億円以上かつ従業員500人以上)349社。そのうち121社が回答した。調査期間は5月30日から7月2日まで。

懲戒解雇で退職金を支給しない――75%

 横領や就業規則違反など30のケースが起こった場合、どのような処分をとるのか、過去のケースなどから判断して企業が回答した。処分の中で最も重い措置の「懲戒解雇」で多かったのは、「売上金100万円を使い込んだ」70.6%、次いで「無断欠勤が2週間に及んだ」68.8%、「社外秘の重要機密事項を漏えいさせた」54.1%という結果となった。

 このほか「就業時刻後に酒酔い運転で物損事故を起こし、逮捕された」40.4%、「社内で私的な理由から同僚に暴力をふるい、全治10日の傷を負わせた」38.5%、「満員電車の痴漢行為が被害者の訴えで判明した」36.7%。この結果を受けて同研究所では「近年社会問題化し、メディアなどを通して監視の目が厳しくなっている事案も、懲戒解雇を適用している割合が高い」と分析している。

 懲戒解雇で退職金を「全額支給しない」と回答したのは75.0%。一方「全額支給する」3.3%、「一部支給する」2.5%だった。諭旨解雇では「全額支給」が38.4%、「一部支給する」の23.3%を合わせると、約6割の企業が退職金を支給するようだ。処分が厳しい懲戒解雇と比べ、諭旨解雇は「全額支給しない」がわずか5.8%だった。

yd_roumu.gif 諭旨解雇と懲戒解雇による退職金の支給状況

過去1年間で懲戒解雇は17件

 一般的に企業の処分は、譴責(けんせき)、減給、出勤停止、降格、諭旨解雇、懲戒解雇がある。過去1年間の処分発生件数は、最も軽い処分の「譴責」(注意処分、始末書含む)が16社の合計で57件と一番多かった。次いで「減給」が14社の30件、「出勤停止」12社の21件だった。「懲戒解雇」は12社の17件と、4番目に多かった。

 マスコミの報道などによって社名や実名が公表された場合、通常の措置と比べ「差異を設けている」と回答した企業は40.4%に達した。また、同一人物が同様の事案で数回にわたり懲戒を受けたケースでは、59.4%の企業が重い処分を課している。

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