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» 2007年09月06日 14時11分 UPDATE

誠 Weekly Access Top10(2007年8月28日〜9月3日): 「宿題代行ビジネス」に心配する“姉ゴコロ”

8月末に、子供の夏休みの宿題を親も一緒にお手伝い、というのはよくある光景だ。しかし昨今は子供の宿題をアウトソースし、大学生のアルバイトに代行させるビジネスが生まれているのだそうで……。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 9月に入って最初の1週間。街を歩いていても制服姿の中学生、高校生をよく見かけるようになり「ああ、新学期が始まったんだな」と思う。9月最初の登校日といえば、夏休みの宿題の提出日でもある。登校日に全部間に合わなかくても、最初の授業にはなんとか間に合わせよう……と今頃頑張っている学生さんも多いのではないだろうか。

 そんなわけで、最近気になった記事が「宿題代行ビジネス」の話題(9月4日の記事参照)。ドリルや読書感想文、自由研究といった、小学生の定番ともいえる夏休みの宿題だけでなく、大学のレポート、果ては卒論まで代行してくれる商売がある、という話題だった。

 実際に代行するのは、主に大学生のアルバイトだという。専門性が高いであろう大学のレポートがバイトに書けるのか、果ては卒論代行で30万円は安すぎやしないかなどいろいろ感想の尽きない記事だった。ネットの反応を見ていても「そもそも何のために宿題を出すのか考えたほうがいい」「カネを払う親はおかしい」「いや大体、何の役にも立たない宿題が多すぎる」などさまざまな感想があった。記者も「代行ビジネスが成立するのは、お金を払う親がいるからだよなぁ」とかなりあきれたのだが、それとともに思い出したのは中学生の頃の出来事だ。

 8月の終わり、3歳年下の弟が「夏休みの宿題が終わらない、せめて読書感想文だけでも手伝ってもらえないか」と泣きついてきた。一度は断ったのだが、弟の手にあった読書感想文用の本リスト(リストの中から好きな本を選んで感想文を書くようになっていた)で目に留まったのが、井上靖の「天平の甍」。実は記者もその1〜2年前に、天平の甍について読書感想文を書いたことがあったのだ。

 「読書感想文以外の宿題もとても終わりそうにない」と訴える弟をかわいそうに思い、記者は「これをもとにして書けば、イチから書くよりはラクなはず。でも、そのまま写しちゃダメだからね」と言って、以前自分が書いた読書感想文を手渡した。ところがせっぱ詰まった弟は、その読書感想文を丸ごと書き写して提出してしまった。ここでもしお金を弟から受け取っていたら、記者がしたことはある意味、宿題代行ビジネスの先駆け(?)だったことになる。

 新学期が始まってしばらくして、再び弟が困った顔でやってきた。どうしたの? と聞くと、「先生が読書感想文をとても気に入ってしまい、区のコンクールに出すと言っている」というのだ。いくらなんでも姉が書いた読書感想文をコンクールに出すわけにはいかないだろう、と焦った記者は、「それは絶対にダメ、先生に正直に事情を話して、コンクールに出すのだけは阻止してよ!」と強く弟を叱ったのだった。弟は相当ためらっていたが最終的には先生に事情を話し、コンクール提出という事態は免れた。……もちろん弟が先生にこっぴどく怒られたことは、いうまでもない。

 宿題代行ビジネスと聞いて、心配になったのはこういったケースだ。大学生が代行で書いた読書感想文や自由研究がコンクールなどに出る、という事態は容易に起こりそうである。記者が子供の頃にも、自由研究を親が熱心に手伝いすぎた結果、子供が書いたのは絵や文字だけで、事実上“親の自由研究”になってしまっている子供はいたが、親が手伝いすぎたのと、バイト代と引き替えに見知らぬ大学生がやってくれたのとでは大分違う。

 今になって振り返ると、子供にとって夏休みの宿題を提出する、というのは「与えられた(大変な)課題や約束を決められた期日までに果たす」という最初の試練だったと思う。大人になってみると、仕事というのは結局“決められた期日までに課題や約束を果たす”ことの積み重ねで、1年中夏休みの宿題をやっているようなものだ。

 大人になった今、子供時代に夏休みの宿題をどうしていたか周りに聞いてみると面白い。“子供の頃から計画通りに宿題を片づけていた”という人は、大人になってもきちんとした人が多いし、“8月31日に泣きながら片づけた”という人もやはり「うん、想像つくなあ」と思わせるタイプが多いようだ。

 ちなみに記者は、7月中は計画通りに宿題を進めるのだが、8月に入ると遊ぶ方で忙しくなり、結局8月最終週に死にものぐるいで残りの宿題を片づける、というパターンを繰り返していた。今も期日ギリギリになって仕事のスピードが上がってくることは多く、そのたびに「ああ、ちっとも成長してないなあ」と悲しくなるのだが……ということで、読者の皆さんへの質問で、本原稿を締めたいと思う。

「あなたは子供の頃、夏休みの宿題を予定通りきっちり終えるタイプでしたか?」

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