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» 2007年07月27日 05時27分 UPDATE

家庭で充電できる「プラグインハイブリッド」ってどんなクルマ?

トヨタ自動車は、家庭用電源プラグで充電できる「トヨタプラグインHV」を発表、公道走行試験を行う。深夜電力+ガソリンの場合、現行「プリウス」に比べて約41%燃料費を削減できるというこのクルマには、どのような特徴があるのだろうか。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 トヨタ自動車は7月25日、プラグインハイブリッド車「トヨタプラグインHV」の実用化と、同車が国土交通省より大臣認定を取得したことを発表した。

 プラグインハイブリッド車が公道の走行を許されるのは初めて。トヨタは8台の車両を使って公道走行試験を3年間行い、各種のデータ収集を行う。また国内だけでなく、米国やヨーロッパでも公道走行試験を実施予定だ。

ay_phv00.jpg トヨタ自動車が発表したプラグインハイブリッド車「トヨタプラグインHV」

プラグインハイブリッド車とは?

 プラグインハイブリッド車とは、家庭用の電源で充電できるハイブリッド車のこと。近距離は電気自動車(EV)として、遠距離はハイブリッド車として走ることができる。電気自動車とハイブリッド車の“いいとこ取り”をしたクルマといわれる。

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 トヨタの「プリウス」など現在のハイブリッド車は、エンジンやブレーキを使って走行時のエネルギー回生(走行エネルギーからの充電)を行っているが、プラグインハイブリッド車ではこれに加えて、家庭用電源からの充電が可能になる。従来のハイブリッド車ではエンジンをかけ、ガソリンを使わないと発電できなかったが、プラグインハイブリッド車なら、充電してモーターを動かし、ガソリンを使わずに電気自動車として乗ることができるのだ。

 トヨタではこれまでも「RAV4」などの車種で、電気自動車を販売してきた。しかし、充電に専用の設備が必要、航続距離(1回の充電で走れる距離)を伸ばすのが難しい、航続距離がバッテリー容量によって決まるため大型のバッテリーを積まなくてはいけない、コストが高くつくといった課題があり、普及には至らなかった。

 一方でハイブリッド車の販売は世界的に伸びており、トヨタ製ハイブリッド車の販売数は累計で100万台を突破した。2010年代の早い時期には、年間100万台の販売を目指す。

 開発の背景にあるのは、環境への問題意識だ。プラグインハイブリッド車は、ハイブリッド車と電気自動車の長所を併せ持ち、ガソリンだけを使うよりもCO2排出量を抑えることができる。プラグインハイブリッド車では、ガソリンと家庭用電源を併用するため、ガソリンのみで走る車よりも燃料費を抑えられる。特に安い深夜電力を使った場合は、ガソリンのみの場合に比べて約41%コスト削減できるとトヨタでは試算している。

ay_phv03.jpgay_phv04.jpg トヨタではハイブリッド車の販売数を順調に伸ばしており、世界市場合計で累計100万台を突破した(左)。電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、ハイブリッド車(HV)の特徴を比較した図(右)

ay_phv05.jpgay_phv06.jpg プラグインハイブリッド車では、ガソリンだけを使うよりもCO2排出量を抑えることができる。フランスなど原子力発電の割合が高い国であれば、CO2削減効果は高くなる。またガソリンだけでなく、バイオ燃料との組み合わせも可能だ(左)。安い深夜電力を使うことにより、ガソリンのみの現行プリウスに比べて約41%コスト削減できる(右)

現行のプリウスをベースに開発

 今回発表された「トヨタプラグインHV」は、現行のプリウスをベースに開発したものだ。「制御用のソフトウエアと、バッテリー容量が違うくらい、あとはほとんど同じ」(トヨタ)

 トヨタプラグインHVでは、1回の充電で、13キロメートル程度走れる。EVモード時の最高速度は時速100キロメートル。充電にかかる時間は、家庭用100ボルト電源で約3〜4時間、200ボルトの電源であれば1〜1.5時間で充電が完了する。

 搭載しているバッテリーはニッケル水素電池で、容量13アンペア。プリウスに積んでいる6.5アンペアの2次電池と同じものを、2セット搭載した。電池容量の向上に従って、ガソリンエンジン+電気モーターの最高出力も現行プリウスより向上している。

 トヨタではプラグインハイブリッド車を、従来の電気自動車の課題を解決する技術と見て期待している。「プラグインハイブリッドは、石油に変わる代替燃料を使う新しい時代の第一歩だ」(トヨタ自動車副社長の瀧本正民氏)

 今回発表されたトヨタプラグインHVをベースに、航続距離の向上などさらに開発を進め、近い将来プラグインハイブリッド車を販売する予定だ。

ay_phv07.jpgay_phv08.jpg 充電中のトヨタプラグインHV。充電口は、運転席側の後部にある(左)。充電用の差込口(右)

ay_phv09.jpgay_phv10.jpg 専用のACアダプタは、12アンペア、AC100ボルト用のもの。一般の家庭用電源プラグから電力を供給できる(左)。モニター画面には、走行モードが表示される(右)

ay_phv11.jpgay_phv12.jpg トランクルームの下にバッテリーが入っている。現行のプリウスよりも、トランクルームが若干狭くなっているのは、バッテリー容量が増えているため(左)。給油口は助手席側後方、充電口のちょうど反対側に付いている(右)

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