日経平均株価に高値警戒感と参院選挙の見通しが不透明なことから、個人投資家は株価上昇に懐疑的な見方が広がっていることが分かった。国内景気や企業収益、海外市場と比較した出遅れ感などを理由に、株価が上がるという声も多いが、本格的な上昇基調にはならないと見ているようだ。
野村證券は7月5日、投資動向の把握などを目的としたアンケート調査の結果を発表した。株式投資の経験がある個人投資家1000人に、メールで調査した。調査は6月22日。
3カ月後の日経平均は「1000円程度上昇から3000円程度まで」との回答が70.4%と、前月から5.6ポイント低下した。一方で「1000円程度下落」と「2000円程度下落」を合わせた回答は27.2%で、5.2ポイント上昇した。今回調査の参考にした日経平均は6月21日終値で、年初来高値1万8240円を更新した。「こうした環境下で株価の高値警戒感が出てきた」(同社)としている。
過去3カ月の取引状況では「売買銘柄数」と「投資金額」は増えたが、全項目で「変わらない」が増加するなど、回復には力強さがないことがうかがえた。今後3カ月の見通しは「株式投資意欲の回復が続くものの、本格的な回復基調を示すものとはいい難い」(同社)とした。
今後3カ月程度を想定すると、「市場要因・心理的要因」や「国内景気、企業収益」はポジティブな見方が増加。東証1部上場企業を中心に好決算だったことや、第1四半期も好調と織り込んでいるようだ。ただ、株式市場に与える要因として「国内政治情勢」を懸念する声が目立った。安部内閣の支持率低下や参院選挙などが影響している可能性が高い。
「短期・長期を問わず株式を保有したいと思う銘柄」は、「トヨタ自動車」が89人で1位だった。次いで「ソニー」(29人)「新日本製鐵」(27人)「ソフトバンク」(25人)という結果だった。注目度の高い業種では「素材関連」が5カ月連続でトップ、下位では前月に続いて「建設」がワーストだった。
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