ホンダ、「インターナビ」にリアルタイム地図更新機能を実装開通した日から利用可能

» 2007年07月04日 17時30分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 本田技研工業は7月4日、インターナビ・プレミアムクラブの新機能として、新規開通した主要道路の地図情報をリアルタイムで更新するシステムを開発。今秋発売予定の新型フィットへ搭載される新型HDDナビゲーションシステムより順次実装すると発表した。

 インターナビ・プレミアムクラブは同社が2002年10月から純正カーナビ向けに提供しているナビゲーションサービス。車側にも通信機器を搭載することで双方向ネットワークを実現し、単なる“カーナビ”を超えたサービスを提供している。

 開発された新システムでは、新規開通した道路を含む地図データと元データの差分のみを抽出、データサイズを抑えることで通信経由による配信を可能とした。既存のメーカー純正カーナビの多くでは地図更新時にサービスセンターへ数日預けるなどの手間がかかったが、新システムでは道路の開通日に、数分で新規開通したルートをナビで扱えるようになる。

photophotophoto 新規道路のデータが用意されているかどうかはインターナビ・プレミアムの他サービスを利用中に随時チェックされ、ルート設定を行った際に新規道路がルート候補に含まれるとデータが存在することがアナウンスされ、ダウンロードするか確認を促される

 カーナビ用の地図データは単純な「地図」ではなく、路線検索を行うための路線計算用データや名称などから特定の施設を目的地と定めるための施設データや検索用インデックスデータなどを含む多層的な構造となっているが、新システムでは新規開通に伴う差分データのみをセンターのサーバから各車両へ送信する。データは大きくとも数Mバイトに収まるため、更新は数分で完了する。

 インターナビ・プレミアムクラブには地図データ全体の無償更新もサービスに含まれるが、この更新にも本技術で導入された差分更新のシステムが導入される。差分データはDVD-ROMで提供されるが、DVD-ROMをセットすると自車位置や目的地、目的までのルートを優先的に更新したのちにバックグラウンドで残りを更新するため、実質的にまったくナビが利用できなくなる時間は約30分程度だという。

 7月5日からはインターナビ・プレミアムクラブのひとつと提供している気象情報サービス「インターナビ・ウェザー」に「集中豪雨予測情報」「地震情報」を追加する。いずれも日本気象協会から提供される降雨予測/地震情報を元に、10分先までの集中豪雨予測地点と震度5以上の地震情報をナビ画面に表示させることでドライバーへ注意を促す。

 また、新型フィットの投入とタイミングをあわせて、「位置情報付き安否確認連絡」サービスも開始する。このサービスは前述の「地震情報」の情報を元に、自車が震度5弱以上の地震が発生したエリアにいる場合、自動的にあらかじめ登録しておいたメールアドレスへ自車位置の情報を送信する。ドライバーがナビ画面から「大丈夫」「助けて」などの安否に関する情報を送信することも可能だ(位置情報もあわせて送信される)。

photophoto 目的地の地震が発生したというケースでも情報を得ることができるので、危険回避につながる「地震情報」、地震に遭遇した際、家族などへ自分の位置、状態を知らせる「位置情報付き安否確認」機能

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