“PCにEdyを載せる”プロジェクト、1年経った成績は2勝1敗

» 2007年07月04日 01時36分 公開
[Business Media 誠]

 インテル、ビットワレット、マイクロソフトの3社は7月3日、「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」の進捗について説明会を行った。

右から、インテル社長の吉田和正社長、ビットワレット社長の眞鍋マリオ氏、マイクロソフト専務眞柄泰利氏

 スマートデジタルライフ推進プロジェクトとは、3社が2006年から推進している活動で、柱は大きく3つある。1つはインテル製のCPUとマイクロソフトのWindows OSを載せた個人向けPCに「FeliCaポート」を搭載し、普及させること。2つ目はEdyに対応したサービス(ECサイト)を増やすこと。そして3つ目はネットショッピングでのEdy決済利用額を増やすことだ。

 3社はこれら3つの目標に向け、それぞれの立場で活動を行っている。2006年6月に同プロジェクトがスタートしたとき、3社が掲げていた具体的な目標は以下の通りだ(2006年6月の記事参照)

  1. FeliCa対応のオンラインサービス(ネットショップなど)を現在の2倍に増加
  2. FeliCaリーダー/ライター搭載PC、及び外付けリーダー/ライターの数を現在の3倍に増加
  3. FeliCa決済によるオンライン取引高を現在の2倍に増加
※FeliCaを利用する決済方式は複数あるが、このプロジェクトではFeliCa対応のサービス、決済といった場合は、ビットワレットが運営する電子マネーEdyとほぼ同義となる。

FeliCaポート搭載PCはいったい何台?

 開始から1年経った現在、Edy対応のオンラインサービスは2006年12月に2006年6月時の約2倍になり、7月3日現在約3000超。Edyによるオンライン取引高も約2倍になった(取引高がいくらかは未公表)。この2つは目標を達成している。

 FeliCaポートを搭載したPCの出荷数は現在2.5倍。これだけは3倍という目標に届いていないが「2007年度末には3倍になるだろう」(インテル社長の吉田和正氏)としている。なお、FeliCaポート搭載PCは現在85〜86機種あるとのことだが、出荷台数は明らかにされていない。

スマートデジタルライフとはシニア層がネットショッピングをすることなのか

 周知の通り、非接触ICのFeliCaを利用した決済方式は、Edyの他にもさまざまなものがある。インテルがその中でEdyの普及を後押しする理由としては、クレジット系決済などと違い、“誰にでも使える”という点が大きい。別記事でも触れたように、インテルではFeliCaポート+Edyを組み合わせ「ノートPCを外に持ち出し、公衆無線LANスポットなどを利用。小額のアクセスチャージをEdyで支払う」「デジタルコンテンツ(動画や音楽など)を、家庭のPCでダウンロード購入した場合に決済方法として使う」といった利用シーンを想定している。

 今回特にインテルが強調していたのが「シニア層の利用サポート」だ(7月3日の記事参照)。キーボードを使わなくても操作できるタブレットPC(デモで展示していたのは)に、シニア向けポータルサイトへの誘導画面を付けることにより、キーボードを使わなくてもPCが操作でき、ネット環境を利用できるようになる、とアピールした。

 タブレットPCにはFeliCaポートが付いており、例えばシニア向けサイト内にあるショッピングモールでは、EdyをFeliCaポートにかざして買い物ができる。シニア向けサイトとしては、オンラインサービスサイト「小僧.COM」「オイシックス」「JTA!テニスオンライン」などが紹介され、会場でデモを行っていた。

シニア向けタブレットPCを手に持つインテル吉田氏(左)。FeliCaポートにEdyをかざして決済可能(右)
シニア向けサイトを集めたメニュー画面。「小僧.com」がポータルになるイメージだという(左)。Oisixではシニア向けに開発した商品を販売している(右)

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