個人投資家の約7割が「7月の参院選で与党過半数割れ」と予想

» 2007年06月27日 13時41分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 7月の参院選挙で個人投資家の68%が「与党の過半数割れ」と予想し、「与党が過半数を維持する」と回答したのは32%にとどまっていることが分かった。「民主党」に投票を考えている個人投資家は54%、「自民党」は28%とほぼ2分の1という結果となった。また株については、「強気」と判断したのは65%に達し、株式市場への影響は少ないと見ているようだ。

 ロイターは、個人投資家向けメールマガジンの購読者1190人(男性93%、女性7%)にアンケートを実施した。回答者の金融資産残高(不動産除く)は、500〜900万円(21%)が最も多く、次いで500万未満と1000〜1999万円(19%)、3000〜4999万円(14%)、2000〜2999万円(13%)、5000〜9999万円(11%)、1億円以上(4%)。調査期間は6月18日から21日まで。

心理的な影響か? 与党過半数割れならは株「売り」が34%

 参院選では「民主党」に投票する回答が最も多かった。回答者の声として「これまでは自民党派だったが、年金問題や不正金など税金の無駄使いに憤りを感じる」(30代女性・会社員)「安部政権が国民の方を向いていないと感じるから」(30代男性・会社員)など不満が多い。これに対し「自民党」に投票するとの回答者からは「安定した経済の継続を望むから」(60代男性・年金生活者)「株価に良い」(40代男性・会社役員)など、経済成長の持続を求める声が多かった。

 「与党の過半数維持」(32%)を予想した回答者の選挙結果後の投資行動を見ると、株は「売り」が7%、「買い」が42%、「維持」が51%だった。一方「与党の過半数割れ」(68%)の回答者は、株は「売り」が34%、「買い」が34%、「維持」が51%。どちらも株は「維持」するとの声が半数を占めたが、与党が過半数割れをすると「売り」が多かった。政治が混迷すると景気が不安定になる、という心理的な影響かもしれない。

株は「強気」の声が多く、小型株と割安株に投資意欲

 投資スタンスを示す個人投資家DI(「強気」の割合から「弱気」の割合を引いて算出)は6月調査で前月のマイナスからプラスに転じ、株は「強気」と回答したのが65%、「弱気」は35%だった。「強気」の回答者からは「日本株が世界的に見て割安だから」(50代男性・会社役員)「景気も上向いてきていて、過去最高益という状態の企業もよく聞く」(40代男性・その他)といった声があった。一方「弱気」の回答者からは「参院選後、消費税上げ・日銀利上げは必至であると思えるゆえ、景気下降が予想される」(60代男性・その他」と厳しい指摘があった。

 業種別の投資姿勢では、前月比で自動車が最も改善し、次いでIT・ハイテク、素材、金融・保険が上昇した。半面、悪化したのは建設・不動産が目立ち、薬品・健康なども低下した。

 「現在、投資したい/投資資金を増やしたい株」の質問には小型株と割安株が上昇したが、国際優良銘柄や景気敏感株、新規上場株などの人気が低迷した。金融商品では国内株式や国債などの人気が高く、一方で外国株式やREIT(不動産投資信託)などが低下した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.