電器メーカーの行う“環境への配慮”とは……松下電器の場合

» 2007年06月22日 16時42分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 環境活動への取り組みを重視する企業が増えている。流通小売業であればレジ袋の削減、自動車メーカーではエコカーの導入などが進んでいる。電器メーカーの場合は、省エネやCO2削減の製品開発になる。

 松下電器産業は6月22日、環境活動の実績をまとめた「環境データブック2007」を発行した。主な内容として、温暖化対策など環境性能を向上させた製品「グリーンプロダクツ」の開発率(工場出荷金額ベースで当年度全開発製品に占める割合)が96%を達成したほか、CO2の排出量が2000年度比で24%削減した。環境活動に関するデータを活かすため、これまで年度で管理していたが、月度管理を開始した。

環境活動の目標を達成

松下電器産業の環境企画グループ中村昭マネージャー

 グリーンプロダクツとは温暖化、資源、化学物質の不使用という独自の基準を達成した製品で、2010年度までに90%以上の目標を掲げている。松下電器では、省エネルギーのドラム洗濯乾燥機や鉛などを使用しないプラズマパネルなどを開発し、2006年度のグリーンプロダクツ開発率の目標74%に対し96%の実績を残した。環境企画グループの中村昭マネージャーは「エアコンや液晶テレビ、洗濯乾燥機など主要商品がCO2の削減に貢献している。各商品の省エネ性能が高くなっている」と話した。

 ユーザーが消費するCO2と製品の製造時に排出するCO2、松下グループでは両方の削減に取り組んでいる。グループのCO2排出総量は昨年度比で4万トン減らし、3年連続で減少という結果となった。世界に319の工場があり、ISO14001を基本に「クリーンファクトリー」(CF)の認定を導入している。2006年度の目標58%を上回る78%を達成、2010年度までに90%以上の目標を掲げている。

環境関連データを毎月収集

 松下電器は環境への取り組みとCO2削減を図るため、現場からの環境関連データを収集し、課題などを分析している。従来は年1回のデータ管理だったが、2006年10月から試験的に毎月収集をスタート。2007年4月からは本格的に本格的に運用し、化学物質や廃棄物などの削減に役立てていく方針だ。

グリーンプロダクツ開発率は2006年度に目標を達成

 社員の環境意識向上を図るため、2006年度から「LE達人認定制度」を制定した。この制度はLE(Love the Earth)活動の活性化を目指し、家庭や社会などでエコライフを波及させた社員を認定するもの。エコバックの使用や環境ボランティアの参加などが条件で、11人が認定された。 

 こうした環境活動について中村マネージャーは「全製品に対してファクター(環境などに配慮した基準)を計算して開発している。これは他の電気メーカーでは実施していないだろう」とコメントした。

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