CO2排出半分「エコジェット」 英社がデザイン公開

» 2007年06月18日 20時26分 公開
[Business Media 誠]

 環境を重視した航空機の開発に向けた動きが加速している。

 格安航空欧州2位の英イージージェットは先週、既存旅客機に比べ二酸化炭素(CO2)排出量が半分で済む次世代機「エコジェット」の開発構想を打ち出し、デザインを公開。世界の航空機メーカーに2015年までに開発するよう呼びかけた。

 同社によると、新型機は150〜250人乗りの短距離機。ローターを露出させたエンジンやより軽量のアルミ合金を使った機体、空気抵抗を減らしたデザインを採用することでボーイング「737」やエアバス「A320」に比べCO2を半減できるだけでなく、大気汚染物質である窒素酸化物(NOx)を75%、騒音を25%低減できると試算した。

 CO2はトヨタ自動車の「プリウス」が1キロメートル当たり104グラムなのに対し新型機は乗客1人を1キロ運ぶ場合、47グラムという。関連メーカーへの調査を通し、ただちに利用できる既存技術だけを組み合わせた。このため8年間で開発が可能としている。

 英紙ガーディアン(電子版)によると、ハリスン最高経営責任者(CEO)は、14年までに保有機を現在の113機から300機に増やす計画を明らかにしたうえで「当社の航空機への投資は40億ポンド(約9800億円)に上る。メーカーも話を聞いてくれるだろう」と新型機実現に自信を示した。

 同社のほか、同じ格安航空の英ヴァージン・アトランティック航空は、ボーイングやゼネラル・エレクトリック(GE)と共同でバイオ燃料の旅客機「グリーンジャンボ」を09年に就航させる準備を進めている。エアバスも14日、新型機1機当たりのCO2排出量を20年までに半減する計画を発表している。

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