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» 2007年06月11日 12時10分 UPDATE

きれいなおねえさんは好きですか――松下が仕掛ける“口コミの秘訣”とは

GiRLSGATE(ガールズゲート)と松下が共同で、女性向け美顔器の口コミ(バズ)マーケティングイベントを行った。参加者は女性ブロガー50人。“ブログに書かせる”ためのテクニックとは……?

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 6月9日、天王洲アイルにあるフレンチレストラン「シェ松尾 天王洲倶楽部」に、続々と若い女性が集まっていた。とあるイベントに参加するためである。

 そのイベントとは「“きれいなおねえさんは、好きですか。” presents 夏も美肌で★ビューティーパーティー」。タイトルだけ聞いても何のことやら、という読者諸兄も多いと思うが、松下電器産業の美顔器「イオンスチーマー ナノケア プラチナ」をバズマーケティング(口コミマーケティング)するために、サイバーエージェントが主催したイベントである。参加者にブログで本イベントについて書いてもらい、口コミで評判を広げよう、という狙いだ。ちなみに「きれいなおねえさんは、好きですか」は、松下電器が1992年から継続して、ナショナルブランドの美容家電に使っているキャッチフレーズで、現在は仲間由紀恵さんを起用した広告を展開している(参照リンク)

 イベントの参加者は女性ブロガー50名で、見たところ、ほとんど全員20代〜30代前半。一般公募したブロガーのほか、F1層(女性・20〜34歳)に絶大な人気を誇る「GiRLSGATE」の読者モデルたち(JJやCamCanの読者モデルも兼任している人も少なからずいる)も参加しており、会場はかなり華やかな雰囲気だ。

 イベントの内容は盛りだくさんで、スキンケアセミナー、肌にいいメニュー満載の“きれおねランチ”、辺見えみりさんのトークショー「ビューティーアドバイス」、ビンゴゲーム、そしてナノケアの体験イベントなど。

ay_gg01.jpgay_gg02.jpg 立食形式の“きれおねランチ”。コラーゲン入りのハンバーグなど、おいしいだけでなく美容によい食べ物が並ぶ。食べる前にまずデジカメや携帯で写真を撮るのがブロガーらしい(写真左、クリックすると拡大)

“ブログに書いてもらう”ための工夫

 松下電器がバズマーケティングを仕掛けるのは初めて。しかし進行を見ていると、“ブログに書かせる”“長く話題にする”ためのノウハウがあって面白い。

 今回の参加者は一般公募なので、参加者同士は面識がない。特に一般ブロガー同士は、お互いの名前やサイト名は見知っているとしても、実際に会って話したことがあることはまずない。

 そこで重要になるのが、“ブロガー同士をいかに知り合わせるか”だ。ブロガー同士に仲良くなってもらえば、お互いのブログでコメントのやりとりをしたり、トラックバックを送ったり、より大きな口コミ効果が望める。

 入場時には全員分の名刺が用意されている。名刺にはそれぞれのブログのタイトル、URL、QRコードが印刷されており、名刺を交換すればお互いのブログを訪問できる。

 “名刺交換の必然性”をさらに強める仕掛けがビンゴだ。参加者には全員ビンゴゲームのカードが配られ、マス目には参加者のブログのタイトルを書く。名刺交換をしてカードを受け取らないとビンゴカードのマス目が埋まらないので、当然一生懸命にカードを交換する、つまりは自己紹介をすることになる。ビンゴの商品は、ナノケアや毛穴吸引スポットクリアなど、参加者が欲しくなるような商品を揃え、参加意欲を刺激する。

ay_gg03.jpg 入場時に参加者に渡される名刺。自分のブログのタイトルやURL、QRコードが書いてある
ay_gg04.jpg 参加者同士で名刺交換。たくさん名刺をもらわないと、ビンゴカードのマス目が埋まらない

 今回のイベントに参加するには、まず応募の時点で、自分のブログで美容や辺見えみりさんについてのエントリーを書く必要がある。そのほかにも“ブログのネタになる”ポイントをいくつも用意しているのがポイントだ。イベントに当選すれば当選したことをブログに書くだろうし、イベントに参加した話についても当然ブログで書くだろう。ビンゴの商品やおみやげでもらったものについても、使ってみたらその感想を書きたくなるかもしれない。

 また、会場では自由参加の「エイジングシミュレーション」という企画も行っている。顔を写真に撮り、肌が数年後にどのように変化するかをシミュレーションする、というものだ。この結果も当日すぐに渡すのではなく、イベント終了後、時間が経ってから参加者に送付する。「長期間にわたって話題になってもらうように工夫を凝らしている」(運営スタッフ)

ay_henmi.jpg イベントの後半に登場したタレントの辺見えみりさん

ブログに書くのは「面白いから」

 参加者のほうはどう考えているのだろうか。実際に参加者に感想を聞いてみると、「そういう狙いとは知らなかった。でもきっと自分のブログで今日の話を書くと思う」と答える人が多かった。また、「懸賞ブログをやっていて、ナノケアが当たったばかり。試したらきっとその話を書くと思う」という人もいた。

 半日たっぷり、“美”について考えるイベントは、普段美容とは縁遠い生活を送っている記者をさえ“美顔器の一つも持ってたほうがいいかなぁ……”と思わしめるほどの濃度だった。もし記者が参加者だったら、きっとブログにこの話を書くことだろう。

 バズマーケティングについて検討するとき、よく「ネガティブなことを書かれるかも」と心配する人がいる。しかし自分の経験を振り返ってみると、わざわざネガティブなことをブログには書こうとは思わない。時間と手間の無駄だし、面白くないと思ったことを書いたところで、ブログとして面白いエントリにはならないからだ。

 バズを起こしたいなら、“書きたいと思わせる仕掛け”を作ることが大事……そんな当たり前のことを再確認させられたイベントだった。

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