ネットの口コミを頼りにして買うモノは?

» 2007年05月22日 19時33分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 何か買おうと思ったが、候補がいくつかあって悩んでいるときなどに、あなたがまず取る方法は何だろうか? 最近は、ネット上の口コミ情報を商品購入の参考にする人が増えている。製品を販売するほうも、口コミを生かしたバイラルマーケティングに力を入れる企業が増えてきている。

 「価格.com」「@COSME」(アットコスメ)など、ネット上の口コミサイトの情報は信頼性があると考える人が4割――インターネットリサーチ会社のC-NEWSと日経産業新聞は5月18日、このような調査結果を発表した。

 調査を行ったのは5月11〜12日の2日間。対象は1000人で、内訳は10代/20代/30代/40代/50代以上が男女それぞれ100人ずつとなっている。

口コミを参考に買うのは、本、食品、化粧品

 「ネット上の口コミ情報で信頼性が高いと思うのは、どのようなところで発信されている情報ですか?」という問いに対して、価格.comや@COSMEといった専門掲示板を挙げた人が41%。ブログと答えた人が29%、Q&Aサイトが28%、SNSが18.9%となった。

 「口コミ情報を参考にして購入・利用したことのある商品・サービス」で最も多かったのは、本・雑誌・コミックの54.2%。食品・飲料が35.5%、化粧品、美容・理容が32.6%と、身近かつ比較的単価が安く気楽に買えるものが続く。一方、住宅・不動産(1.9%)、自動車(7.2%)、金融・保険(9.1%)といった商品は低い数字になっている。

 口コミ情報を参考にして購入した結果、「良かった」「どちらかといえば良かった」と満足している人は81.6%と高い率になっている。商品・サービス別に見ると、本や食品、化粧品といった購入経験が多いものが満足度も高かった。

 情報そのものに対しても賢く接している印象を受ける。「経験者の情報なので信頼性が高い」と答えた人が44.8%なのに対し、「わざとウソの情報を流している人もいる」という設問に「当てはまる」「やや当てはまる」と答えた人は75.1%いる。レポートでは「実際に『成果』を実感する人は多いものの、口コミ情報の信ぴょう性についてはまだ半信半疑の部分が多い」とまとめているが、むしろ「ネットの口コミにはさまざまな立場のものがあるので、うのみにしない」「必要な情報を適宜取捨選択することによって高い満足度を得ている」と見る方が適切だろう。

 「ネット上に商品やサービスの口コミ情報を投稿した経験」については、74.9%が「ない」と答えており、ネット上に口コミ情報を投稿する人はむしろ少数派だということが分かる。口コミが口コミを呼ぶ……ということは少なく、ネット上に口コミ情報を投稿する人は、比較的固定している、と思ってよさそうだ。

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