ロシアの都市型リッチ層は、日本製AV機器がお好き

» 2007年05月16日 21時35分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 野村総合研究所は5月16日、ロシアのモスクワ市とサンクト・ぺテルブルグ市の消費者にインタビュー調査をし、その結果を公表した。「テレビや冷蔵庫が難なく買える」または「マンションなどを購入できる」と回答した1500人を「ロシア都市型リッチ層」と定義し、その消費傾向について分析した。

 都市型リッチ層は、月収が日本円で13.5〜22.5万円が多く、勤務先別に見ると個人企業、外資系企業勤務者が、業種別では不動産や金融の収入が高かった。

 またロシア都市型リッチ層は、収入について右肩上がりの実感を持っている。過去3年間で世帯収入が増加したと感じている人の割合は、モスクワ市で79.2%、サンクト・ペテルブルグ市で86.0%。今後3年間に世帯収入が増加すると予測している人の割合も、モスクワ市で63.9%、サンクト・ペテルブルグ市で70.8%と非常に高い。その結果、貯蓄が重要と判断する人の割合は少なく、月世帯総収入に対する貯蓄の割合が10%未満と回答した人が、モスクワ市で40.3%、サンクト・ペテルブルグ市で47.6%と半数近くを占めた。

日本メーカーがロシアの大都市部で新規需要を狙えるのはここ数年が勝負

 AV機器を購入する場合では、日本メーカー製が最も人気があり、白物家電と自動車ではドイツ製に次いで、20%前後が日本製を支持した。

 今後の購入希望商品と現在の保有状況を考えると、液晶テレビやノートPCなどは、ここ数年が需要のピークという結果が出た。同社では「日本メーカーがロシアの大都市部で新規需要を狙えるのはここ数年が勝負」としている。

 また、今後欲しいものについても尋ねている。世帯総収入別に見ると、月に4万ルーブル以下の世帯が最も「買いたい」と思っているものはデジカメ。4万ルーブル以上の世帯では自動車が一番人気となっている。

 世代別に見ると、18〜29歳では「ノートPC、自動車、デジタルビデオカメラ」、30〜39歳では「自動車、ノートPC、デジタルビデオカメラ」、40〜49歳では「ノートPC、デジカメ、自動車」、50歳以上では「デジタルビデオカメラ、デジカメ、電動工具」がそれぞれトップ3となった。

都市型リッチ層は自動車とデジタルカメラの購入希望者が多い

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