右肩下がり、簡易保険の契約数――日本郵政公社

» 2007年04月25日 21時07分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 日本郵政公社は25日、簡易保険の契約状況を発表した。2006年度の新規契約においては保険件数が238万1000件で、対前年度比から61万6000件(−20.6%)減少するなど、厳しい結果となった。保険金額でみると同−1兆5656億円減(−18.5%)の6兆9041億円だった。

一部を除き、ほとんどの商品が減少している

 内訳をみると普通養老保険が苦戦し、件数ベースで同−30.9%、次いで特別終身保険が同−24.3%となっている。

 年金保険の新契約も振るわず、同−6万4000件(−19.2%)の27万件だった。金額では1015億円で、293億円(−22.4%)減少した。

 いずれも新契約の実績は乏しく、その要因として、保険の満期分が対前年度比−16.6%だったことを挙げている。「満期の発生が減少しているため、継続して契約に結びつけることができなかった」(営業部)と分析する。

 もう1つの要因は、主力商品である普通養老保険の予定利率にある。1990年の予定利率は5.75%だったが、現在は1.5%まで引き下げている。貯蓄面での魅力が乏しいため「普通養老保険に頼る営業は限界かもしれない」と時代遅れの商品性を示唆した。ただ普通養老保険だけが低迷しているわけではなく、保険商品全体が減少傾向にあるため、打開策を見出すのは難しいかもしれない。

保有契約も減少

 2006年度末の保有契約状況によると、保険件数は5696万件で、同402万件(−6.6%)が契約を結ばなかった。金額にして、同10兆6965億円(−6.4%)減の157兆1150億円。

 年金保険も保有離れが進み、同26万件(−3.7%)少ない674万件となった。年金額は2兆4593億円、同733億円(−2.9%)だった。

保有契約も右肩下がりで減少

新契約数はピークの4分の1

 これまで普通養老保険を主に販売してきたが、今後は方針転換を図るという。「他の商品を積極的に勧めていきたい。そして、営業力の強化と人材の育成に務めていく」と、巻き返しに意欲を示す。

 大半の商品が減少しているなか、普通終身保険は例外で、新契約と保有契約ともに増加している。ただ、昨年度の新契約保険数の水準は、昭和1けたの1929年まで遡る。一方、ピークは1992年の956万件で、ほぼ4分の1まで減少している。

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