JBISホールディングス、システム1本化で数十億円の削減

» 2007年04月24日 14時50分 公開
[土肥義則,Business Media 誠]

 証券会社を中心に、金融・証券ソリューションを提供してきた日本電子計算と、証券事務を扱ってきた日本証券代行が合併して半年が経つ。JBISホールディングス設立時には、3〜5年は両社のシステムを共に稼働していく方針だったが、ここにきて方針変更。コスト削減のためにシステムを一本化するとともに、2010年をめどに新システムを構築する。

SIGMA21に一本化、2009年6月の株券電子化を見据え新システムを構築

 電子証券決済のJBISホールディングスは4月23日、グループの経営戦略を発表した。経費の削減などを図るため証券システム「DINES(ダイナス)」を廃止し、「SIGMA21(シグマ)」に一元化。システムの統合により、年間数十億円規模のコスト削減を目指す。これまでは2つのシステムで運用していく予定だったが、時間の短縮や開発費用を削ることにより、経営リスクを回避するのが狙いだ。

 システム統合後は、SIGMA21を利用する証券会社は約60社、シェアは20%ほどを占めることとなる。ただし、株券電子化(2009年6月まで)後には新しいシステムが必要と判断。2010年1月をめどに、新システムを構築していく方針だ。

 またシステム構築・運用だけではなく、幅広く業務や事務関連を対象としたコンサルタント事業を設立する。社長の内池正名氏は、「事業基盤を拡充するには顧客の経営課題を解決できることが重要」と述べた。

 事業拡大のためには証券分野という枠を越え、他業界への進出を目指している。具体的には企業の業務分析からコンサルティングまでを請負い、最適な業務プロセスを構築させていくという。「まずは金融業界から着手し、その後は企業や自治体などにも広げていく」(経営企画部)。

本社を売却、オフィス戦略を見直し

 既存施設を整理していく一環として、本社の売却を明らかにした。移転先や日程などは未定。支店や営業所なども移転を検討しており、コスト面だけではなく機能面を重視しながらオフィス戦略を練っていくという。

 今後の課題として「組織体制の強化」を挙げている。営業部門を強化していくほか、人事交流を積極的に進めていく方針。さらにはベトナムや中国などから優秀な人材を登用するほか、「株券電子化を考えると技術が必要。日立製作所の技術を活用していきたい」との考えを示した。

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