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» 2007年04月20日 19時10分 UPDATE

高級ドーナツ市場にダスキンが参戦――大人のミスド「andonand」が渋谷にオープン

4月20日、「大人のミスド」「ドーナツカフェ」をコンセプトとするドーナツ店がオープンした。ダスキンがミスタードーナツとは別ブランドで高級ドーナツ店を展開する狙いは何か?

[吉岡綾乃,ITmedia]

 ここ数年、東京でじわじわと存在感を増しつつあるのが米国生まれのドーナツ店だ。ニューヨークの「DOUGHNUT PLANT」が東京での店舗展開を開始したのが2004年。2006年末には「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が新宿に上陸、“行列ができるドーナツ店”として話題になっている。

 ドーナツの相場は1個100円前後だが、DOUGHNUT PLANTはドーナツ1個200〜300円台、クリスピー・クリーム・ドーナツは150円〜と、いずれも大人向けの“高級”ドーナツとして人気が定着している。この市場にダスキンの老舗チェーン「ミスタードーナツ」が参戦する。

ターゲットは20〜40代のビジネスパーソン

 ダスキンは4月20日、東京・渋谷公園通りに「andonand(アンドナンド)」第1号店をオープンした。アンドナンドはミスタードーナツの新ブランド店で、20〜40代のビジネスパーソンがターゲット。

 「大人のミスド」「ドーナツカフェ」をコンセプトとする都市型店舗として、2008年3月までに6店の出店を目指す。2007年度は東京23区とその周辺、その後は全国の政令都市へフランチャイズ展開をしていく予定だ。

ay_andon01.jpgay_andon02.jpg アンドナンド渋谷公園通りショップ(左)。4月20日に行われたオープニングセレモニーの様子(右)

ay_andon03.jpgay_andon04.jpg 従来のミスタードーナツよりもシックな内装(左)。レジにはおサイフケータイクレジット「iD」と、電子マネー「Edy」の共用端末が置かれている。クレジットカードも利用可能(右)

 主力商品は、イースト生地を使用し、中にフィリング(クリーム)を入れた「プレミアムドーナツ」、ケーキ生地で上からグレーズ(砂糖衣)をかけた「クラシックドーナツ」、ドーナツ生地を揚げずにオーブンで焼いた「スティック」、注文を受けてから温め直す、甘くない「惣菜パイ」の4種類。ドーナツの単価は180〜250円、想定客単価は690円と、従来のミスタードーナツよりも高めの値段設定になっている(ミスタードーナツでは、ドーナツの単価は94〜210円)。

 “カフェ”をうたうこともあり、ドリンクにも注力している。コーヒー各種や紅茶、ジュースの他、フローズンドリンクやスープも用意する。エスプレッソ系コーヒードリンクは、ショットやホイップの追加、低脂肪乳への変更へも対応するなど、シアトル系コーヒーショップではおなじみのサービスも提供する。

ay_andon05.jpgay_andon06.jpg 上から順番に、クラシックドーナツ、スティック、プレミアムドーナツ(左)。プレミアムドーナツとレギュラーコーヒー。コーヒー豆は、自然保護、耕作方法、地域社会の3基準を満たす、レインフォレストアライアンス認証コーヒー豆を使用する(右)

新しい客層を獲得

 ミスタードーナツは今年、37年目を迎える老舗チェーンだが、アンドナンドはダスキンとしては初めて、ミスタードーナツとは別ブランドでの展開になる。

 別ブランドを立てた狙いは、大きく2つある。1つは、これまで店舗展開をしていなかった空白商圏にどう出店するか、という大きなテーマに対する実験としての試みだ。ダスキンではこの4月から、3カ年戦略を立てており、このうち特に大きな課題が「既存店の改装」「海外出店」そして「空白商圏への出店」だという。

 ミスタードーナツではさまざまな業態の店舗があるが、都市型店舗ではイートインがメインになり、郊外型店舗に比べてテイクアウトが少なくなる傾向があることが分かっていた。そこで都市型店舗となるアンドナンドでも、イートインの需要が高くなると想定し、客単価も高めに設定した。椅子の幅を既存店よりも若干広めにするなど、既存店よりも“より落ち着き、くつろげる”内装を心がけたという。

 空白商圏ということでは、都市部とは逆に郡部への出店も視野に入れており、こちらはアンドナンドとは別プロジェクトになる模様。「商品の点数を絞り込むなど、こちらも既存店とは違う形になるだろう」(ダスキン広報部)

 もう1つの狙いは、既存のミスタードーナツが取り込めなかった、新しい客層を取り込むことだ。アンドナンドが狙う「20〜40代ビジネスパーソン」は、既存のミスタードーナツが苦手としてきた客層である。1号店がオープンした公園通りは渋谷と原宿の間にあり、近くにはNHKやC.Cレモンホール(旧・渋谷公会堂)があるエリアだ。駅から少し離れており、その点ではあまり良い立地とはいえない。「渋谷という立地に着目したのではなく、周りにオフィスが多いこと、渋谷駅周辺よりも落ち着いた雰囲気であることを重視した」(同上)

 都市部の空白商圏を開拓し、新しい客層を開拓することで、事業全体の売上増、顧客増を目指す――これがアンドナンドのミッションなのだ。

DOUGHNUT PLANT、クリスピー・クリーム・ドーナツとの違いは?

 ダスキンでは、DOUGHNUT PLANTやクリスピー・クリーム・ドーナツの日本上陸をどう見ているのだろうか。

 「ライバルだと思っていますか?」と聞くと、「そういう意識はありません。多くの人がドーナツに注目してくれるようになって、むしろうれしい」と余裕の答えが返ってきたが、差別化は図っているようだ。

 アンドナンドのドーナツの売りは、ふわふわで口溶けのよい食感だ。小麦粉の配合を変えたり、卵を増やすなどして風味を増しているという。

 他社に対しては“日本人が好むドーナツ”と自信を見せる。「ミスタードーナツには37年の歴史とノウハウがある。そういう意味で、日本人が好むドーナツだといえるはず。もともとミスタードーナツのドーナツは(米国のドーナツに比べて)甘さが控えめだったが、アンドナンドでは大人を意識したということもあって、特にその点に気を付けた。例えばチョコのドーナツなどは、甘いだけでなく、むしろチョコの苦みも生かした、大人向けの味に仕上がっている」(ダスキンミスタードーナツ事業本部)

 渋谷公園通りには、かつてPARCOの向かいにミスタードーナツの店舗があり、記者も何回か利用したことがある。“大人のミスド”が公園通りに根付くのか、アンドナンドの今後に注目したい。

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