教育ソフトの効果は限定的――米報告

» 2007年04月06日 07時40分 公開
[ITmedia]

 教育ソフトウェアが成績に与える影響はほとんどない――米National Center for Education Evaluation and Regional Assistanceが、こんな研究報告書を連邦議会に提出した。

 研究では、教育ソフトの利用により試験の点数に差が見られるかを、米国36校区の132校の生徒を対象に調査。合計16種類のソフトウェア(1年生と4年生の読解力、6年生と高校生の数学)を調査対象とし、ソフト利用開始から1年後の試験結果を比較した。

 報告によると、1年生で先生1人当たりの生徒の数が少ない場合と、4年生でソフトの利用度が高かった場合には教育ソフトの利用効果が見られたものの、全体としては、教育ソフトを利用した生徒と利用しない生徒との間では、試験の点数にほとんど差が見られなかったという。点数以外の面では、教育ソフトを利用する場合、教師は講義よりも学習支援(生徒が取り組んでいる課題についてポイントを指摘する、ヒントを提供するなど)に時間を割く傾向があることが分かった。また生徒の側では、個人で勉強する傾向が高まるという。

 National Center for Education Evaluation and Regional Assistanceでは今後もこの研究を続け、2年目以降は、教師のソフト利用経験の長さによる影響が見られるか、などについても調査を行う予定。

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