ローソンのエコバッグ配布、開始1週間の反応は?

» 2007年04月05日 15時26分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 コンビニやスーパーで買い物をする時には、“もらって当然”なのがレジ袋。レジ袋は1年間に約300億枚がゴミになっており、1人あたり1日1枚を捨てていることになる。ゴミ袋として使われた末に捨てられているものはともかく、レジ袋そのものがゴミになっているケースが多いのは問題。レジ袋をもらう数そのものを減らすことが重要なのだ。

 2006年6月に成立・交付された「改正容器包装リサイクル法」が、この4月に施行された(参考リンク・環境省)。年間50トン以上の容器包装を使っている事業者は、毎年取り組みの状況や成果について、国に報告を行うことが義務づけられている。

 これを受け、小売店ではレジ袋削減の取り組みが本格化している。一部スーパーではレジ袋を有料化しているが、買い物客が持ち歩く「コンビニecoバッグ」を制作、無料配布を始めたのが大手コンビニチェーンのローソンだ。

弁当とペットボトルがピッタリ入る工夫

ローソンが配布している「コンビニecoバッグ」

 コンビニecoバッグはポリエステル製で、ベージュと緑の2色から選べる。サイズは約280×350ミリで、ペットボトルと弁当がぴったり入るサイズ。小さく折りたたんで持ち運びやすいほか、両サイドにペットボトルを入れるポケットを付けているなど“コンビニらしい”工夫がされている。

 ローソンでは買い物をする客が持ち運び、繰り返し使ってくれるよう、無料で10万枚を配布する。また並行して、レジで「袋に入れますか?」と問いかけるよう指導していく方針だ。

 コンビニecoバッグの配布は3月28日にスタートした。最初の配布店は東京・霞ヶ関の「ローソン法務省店」と東京・大手町の「ナチュラルローソン大手町ビル店」の2店。法務省店では2日で3000枚を配布。大手町ビル店でも毎日300枚ずつ、7日間で2100枚を配布した。反応は上々で、最終日も午前10時半には配布を終了したという。

店内にパネルとカゴを設置し、1人1枚持ち帰れるようにして配布。また店員に余裕がある場合は、レジで意図を説明しながら、顧客に手渡すなどの方法も取った

コンビニに「レジ袋有料」は合わない?

 レジ袋の有料化ではなく、バッグの無料配布という方法を取ったのはなぜなのだろうか。ローソンは「レジ袋の有料化も検討したが、コンビニで買い物をするお客様に対して直接的に効く方法ではないのではと判断した」と話す。「スーパーのお客様は『スーパーに行こう』と意識して買い物に行くが、コンビニはもっと気楽に、フラッと立ち寄っていただくケースが多いため、『マイバッグを持っていこう』と意識して買い物に行くことは少ない。『お金を払えばいいや』となってしまっては意味がない」(広報部)

 2006年9月、ローソンは環境省と「国と事業者による環境保全に向けた取り組みに関する協定」を締結している(参考リンク)。このうち最も大きいのが“2008年度までに2005年度比20%のレジ袋使用量削減に挑戦する”というもの。これは社団法人日本フランチャイズチェーン協会が定めた目標を2年前倒しすることになる。

ローソンのレジ袋削減目標

 上記2店舗に続き、4月10日からは「ナチュラルローソン新東京ビル店」、4月24日からは「ナチュラルローソン丸の内ビルディング店」でもバッグの配布を続ける。いずれも期間は1週間で、1日先着300名ずつ。今後も配布店舗を増やしていき、全国の政令指定都市にある数十店舗で配布していくという。

 バッグを配布する目的は、マイバッグの持ち歩きが定着するためのきっかけ作り。“身につける”くらいの気持ちで持ち歩かなくては、フラッと立ち寄った店では結局レジ袋を受け取ることになってしまう。「“マイバッグを持っているのが格好いい”“持ち歩くのが当たり前”というようになってくれないと、定着は難しい」(広報部)

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