またユニークなところでは、昨年は対応していなかった観光列車「坊ちゃん列車」がICい〜カードに対応していた。路面電車やタクシーは支払機にリーダー/ライターを内蔵するタイプだが、坊ちゃん列車はタクシーと同じハンディターミナル型だ。一方、昨年のサービス開始当初から対応しているバスと路面電車は、運賃箱への据え置きタイプであり、筆者が滞在中に見るかぎりでも多くの乗客が利用していた。サービスとして完全に定着している印象だ。
松山市は、2008年に放送予定のNHKスペシャル大河ドラマ「坂の上の雲」(司馬遼太郎原作)の舞台になることが決定しており、現在、年間約500万人の観光客を約600万人にまで増やす計画を推進している。そのため観光客向けの路面電車や観光列車、ロータリーバスなどにも積極的にICい〜カードを導入し、観光客にとっても利便性の高いサービスを作り上げている。来年には、松山市の観光施設にもICい〜カードの電子マネーサービスが展開されていく模様だという。
ICい〜カードは、交通系IC乗車券/電子マネーにとどまらず、地方都市の行政や街作りとも連携した“地域通貨型の電子マネー”になりつつある。この点が全国展開する他の電子マネーやFeliCaクレジットとの大きな違いだ。FeliCaやおサイフケータイにとって、今後も注目の事例の1つと言えるだろう。
ICい〜カードの対応ヶ所でユニークなのが、いよてつ高島屋の屋上に設置された観覧車「くるりん」。電子マネー対応の観覧車としては、大阪の「天保山大観覧車」や名古屋にあった「ポケモン観覧車」がEdyに対応しているが、こうしたデパートの観覧車は珍しい。伊予鉄グループ関係者も、平日昼間に「仕事の息抜きに乗りに来ている」(幹部)という。松山市を訪れたら、おサイフケータイ片手に立ち寄れる観光スポットとしてお勧めする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング