また、ドコモのDCMX会員が増えることは、三井住友カードのビジネスにとってもプラスになる。
「DCMXのバックヤード業務はすべて我々が受託していますから、DCMX会員が増えることは(三井住友カードの)ビジネスになります。またiDのアクワイアラ業務はうちの独占状態ですから、iD加盟店が増えればこちらの売り上げも大きくなる。DCMXは多くの会員獲得が見込めますから、加盟店のiDに対する見方も変わってくる。これまでiDを入れようか、他方式を導入しようか迷っていた事業者も、(DCMX開始によってiD導入を)迷わなくなるでしょう」(楠木氏)
かなり強気な発言であるが、ドコモのユーザー数と営業力、そして手軽に使えるDCMX miniの存在を考えると、説得力はある。iD陣営の拡大はもちろん、今後のおサイフケータイ向けクレジット決済サービスの趨勢を見る上でもDCMXは重要な要素になりそうだ。
ドコモのDCMXが始まり、iDに強い追い風が吹いたことにより、今後iD陣営に参加するクレジットカード会社が増える可能性が高い。すでにみずほ銀行などもiD対応を表明しているわけだが(3月6日の記事参照)、その中で三井住友カードは“iDのイシュア”としてどのように差別化の要素を打ち出していくのだろうか。
「クレジットカード会社としての魅力は、iD対応の中だけで打ち出していくものではありませんから、日本でも有数の歴史とブランド力を持つ『三井住友カード』の総合力を打ち出していけばいいと考えています。また会員獲得においては、我々がアクワイアラという事もあり、家電量販店などおサイフケータイを販売する場所でのタイアップなどを考えていきます」(楠木氏)
日本のクレジットカード業界でも老舗のブランドでありながら、ドコモとともに最先端のサービスにも取り組む。おサイフケータイなどFeliCa型決済サービスの市場が急速に拡大する中で、三井住友カードにとってiDは、新時代への果敢なチャレンジと言えそうだ。
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