auはどんな姿勢でFeliCa事業に取り組むのか

» 2005年08月02日 15時55分 公開
[吉岡綾乃,ITmedia]

 既報の通り、au版のFeliCaサービスともいえる「EZ FeliCa」サービスが、9月からスタートする(8月2日の記事参照)。モバイルSuicaが搭載されることはすでに発表済みだが、auとしておサイフケータイサービスをどのように展開していくのか。EZ FeliCa対応の2機種(W32SW32H)の発表会会場で取材した。

EZ FeliCaはBREWアプリ

 一言でFeliCa対応サービスといっても、電子マネーや会員証/ポイントシステム、チケットなど、その内容はさまざまだ。NTTドコモのiモードFeliCa端末が「FeliCaチップ+iアプリ」で各種のサービスを実現しているように、auのEZ FeliCa端末は「FeliCaチップ+BREWアプリ」で各社のFeliCaサービスに対応する。BREWアプリを経由して、FeliCaチップへのアクセスを行う形だ。なお、W32S、W32Hともに、BREWの最新版であるBREW3.1を搭載している。

 携帯向けのFeliCaアプリケーションには、高いセキュリティを持つ「共通領域」と、より簡易にサービスを提供できる「フリー領域」の2種類がある。このあたりの仕様やメモリ容量などは、iモードFeliCaとほぼ同じだという(2004年6月16日の記事参照)。

 FeliCaが利用できるメモリ領域は、データフォルダやBREWアプリ用のメモリ領域とは別になっている。インストールできるFeliCa関連のアプリの数は「アプリの容量によっても異なるが、だいたい10個程度」(au商品企画本部FeliCa推進室の小柳琢磨氏)。容量を超えてしまった場合、ユーザーが使用頻度の低いアプリを選んで消去することになる。

サービスプロバイダの負担をフォローしていく

 auが基本路線としているのは「ドコモのおサイフケータイでできることは、auのおサイフケータイでも同じようにできるようにする」環境の実現だ。それだけに、先行してFeliCa関連サービスを提供しているサービスプロバイダには、できるだけiモードFeliCaとEZ FeliCaの両方のプラットフォームでサービスを提供してもらう必要がある。

 その場合サービスプロバイダは、iアプリとBREWアプリの両方を用意しなくてはならない。今回発表された19のサービスプロバイダでは、iアプリに加えてBREWアプリも開発することになるが、小規模な事業者にとって、複数のアプリを開発するのは負担が大きい。「テックファームや、トクトクポケットを提供しているNECなど、会員証/ポイントサービスをASP提供している事業者を紹介し、できるだけ負担がかからないようにしていただく」(小柳氏)。ポイント/会員証以外のサービスの場合は「BREWアプリの開発に関しては、できるだけ協力していく」とする。

 なお、おサイフケータイの発売時には、au独自のおサイフケータイキャンペーンも予定しているという。

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