Sunのシュワルツ社長兼COOは、2005 JavaOne Conferenceの基調講演で、ネットワーク社会における参加型の経済影響について語った。さらにJavaが進むべき方向性として、PanasonicのNishimura氏からはデジタルAVワールドが強調された。
Javaの誕生から10年を祝う「2005 JavaOne Conference」が米国時間27日にカリフォルニア州、サンフランシスコで開幕した。午前9時前から始まった基調講演では、速報のように、Java10周年を祝うバースデーケーキも用意して会場を沸かせた。
基調講演に登壇したSun Microsystemsのジョナサン・シュワルツ社長兼COOは、「Participation」(参加)という新たなキーワードを掲げ、コミュニティーの在り方と、ビジネスにおける参加型の未来について触れた。さらに、ケータイを始めとする家電機器とPCの出荷台数を比較し、PCの出荷数をケータイなどが上回っていることに注目しているという。この情勢は今後のJavaの方向性として大きく関わるものであると言及し、今後のJavaは、業界を越えた飛躍が予想される、と未来像を語った。このコメントは、28日の会長兼CEO(最高経営責任者)スコット・マクニーリ氏の基調講演内容にも通じている(詳細は、追ってリポート)。
事例としてシュワルツ氏が挙げたのは、ブルーレイディスク上でチャプター操作など、制御ソフトにJavaが採用されたことだ。さらに、NTTドコモの夏野 剛氏はiモードによる現在100億ドルに上るビジネスの広がりについてビデオ講演で語った。
ここ最近のSunからの表明を見ていると、コミュニティー駆動型のオープンソース開発の指向が目立つ。ほかでもなく、OpenSolarisを始め、Jini、LG3D(Project Looking Glass)、NetBeans、OpenOffice.org、Project JXTA、そして今カンファレンスで表明された新たな「Java System Application Server Platform Edition」などだ。
これらのオープンソースプロジェクトの多くには、Mozilla Public License(MPL)をベースとした「CDDL」(Common Development and Distribution License)が採用されており、ライセンス形態についてシュワルツ氏は、FOSS(Free Open Source Software)にも注目しているが、「Free」こそが経済を動かす原動力の要であると言及した。
ほかにも例として挙げたのは、メディアなのか? テクノロジーなのか、それとも社会サービスなのか? などという議論さえ持ち上がるというGoogleについて。影響力は多大なものになっていると言い、従来と比べ「インターネット上の体験が変わってきている。java.netでのデベロッパーのやり取りも似たようなもの」とコメントした。
エンターテインメントの領域は今後のJava躍進に欠かせないもの、とシュワルツ氏。
インフォメーションエイジ(情報の時代)はもう終わった。参加型こそが経済の進化へと結びつくこれからの形態だと語る。
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