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男の“クラス感”を上げるマナーのコツ
“クラス感”を上げるために、まずできること

 たとえ自由な雰囲気のパーティーといえども、何気ない振る舞いが品格やクラス感に差をつける。まずは「相手に良い第一印象を与えることが大切」と、先のページにもご登場頂いた嵯峨裕美子さんは語る。

 「人は、まず外見で相手を判断しています。初めて会った時に、インスピレーション(第一印象)があっと言う間に決まってしまいます。日本のパーティーシーンでも素敵な男性が増えてきましたが、もう少し服装にこだわりを持って頂ければ、もっと好印象を相手に与えることができます」

 そこで、特別なパーティーウェアを用意せずとも華やぎ感をアップさせる、コーディネートのコツを教えて頂いた。

華やぎ感をアップさせるコーディネート

 「急なパーティー参加の時には、白いシルクのポケットチーフをパフドスタイルで添えるだけでスーツスタイルが華やぎます。また、ノーネクタイの時のポケットチーフはネクタイのように柄物などがおススメですね」

ドラゴンの編みこみマフラー/ペーズリー柄シャツ/パンツ/マフラー

 第一印象の“外見”をクリアしたら、次のハードルは気配りと会話術である。

 「まずは“目配り・気配り・心配り”が大切です。お話されている相手のドリンクが空になっている場合、相手に代わって注文してあげる。会話が苦手な方がいらっしゃる場合、苦手な方が会話に参加出来るように話しかけるなどの心配りは、ご自分だけではなく、周りの方も楽しく出来る魅力的な方ですね」

 男性向けの講座でも社交術を指南しているという嵯峨さん。以上のポイントを踏まえていれば、パーティーで女性から『あの人に話しかけられたい』と思われる男性になる可能性が高くなるとのことである。

【立食パーティーでのマナー】

 「マナーとは、コミュニケーションを円滑にする相手への思いやり」と説き、現在11冊のマナー本を世に送り出しているマナーコンサルタント・西出博子先生に、立食パーティーマナーのハウツーをうかがった。

●パーティーの前から、マナーは始まっている!
「出欠を出さなければいけないパーティーの場合は早めに出しましょう。急用で欠席しなければいけない場合は、早めに主催者にお伝えしましょう」

●名刺はいつもより多めに
「パーティーの最大の目的は、多くの方と交流を図ることです。名刺を切らすことのないよう、多めに持っていきましょう。特に立食パーティーの時に名刺交換を行う際は、食事のお皿をテーブルの上に置いて中断し、名刺交換を優先しましょう」

西出博子01

●手荷物やコートなどはクロークへ
「立食パーティーでは、スマートな身のこなしが求められます。手荷物やコート類はクロークへお預けしましょう」

●エレガントなグラスの持ち方
「グラスは胸のあたりに持つと、エレガントに見えます。冷たいドリンクの入ったグラスは、紙ナプキンでグラスの下を包んだり底をくるんでおくと、手が滑ったり、水滴が落ちるのを防げます」

●他のゲストに、積極的に話しかけよう
「パーティーは大勢の方と交流を持つための場です。他のゲストにも積極的に話しかけましょう。初対面の方とは、主催者など共通のお知り合いや、料理のことなどで会話の糸口を見つけるのがおすすめです。また、食事は軽く事前に済ませておくのがスマートです」

●ビュッフェの料理をとる順番
「テーブルに用意された料理は、コース料理と同じように、前菜・メイン・デザートの順でとると良いでしょう。並んでいる料理に対し、順番に取り分けて移動します。食べたい料理の前に直行し、列に割り込むことは禁物です」

●ビュッフェの料理のとり方
「取り皿は一回に一枚が基本です。料理は盛りつけを崩さないよう、並んでいるものは“左”から、積み上げてあるものは“上”から取り分けます。取り皿には、自分が食べられる量のみ取り分けましょう。取り皿の内側のライン内でおさまるように盛るのがエレガントです。冷たいものと温かいものや、異なったソースの料理が混ざらないようにしましょう」

●食事を終えたあと
「飲み終えたグラスや使い終わったお皿は、ホールスタッフに渡すか、サイドテーブルに置きましょう」

●パーティー会場を立ち去る時
「パーティーの閉会後に立ち去る場合、主催者は多くの方とご挨拶をしなければなりませんので、挨拶はなるべく手短に済ませ、長話は控えましょう。パーティーの途中で帰る場合も、主催者へひとこと挨拶をしていくのがマナーです。お知り合いや、お話をした方にも、一声お声をかけて立ち去りましょう」

 以上で紹介したマナーはすべて、ささやかな気配りを意識したものばかり。こんなちょっとした振る舞いの差で男のクラス感がアップするとあらば、ぜひ実践してみて欲しい。次は、達人が伝授する、パーティーを2倍楽しむ社交術をお伝えしよう!

西出博子02

http://www.erh27.com/erh/

オックスフォードで生活していた頃の経験を元に、人々から愛される真の美しさを日本人にも伝えたいと願い「English Rose House」を2000年に創立。06年秋、南青山に子どもからシニアまで学べる「Happy Manner Salon」をプロデュース、人財育成に力を注ぐ。著書多数。DSソフト『私のハッピーマナーブック』(TAITO)の監修も務め話題に。

取材・文/似鳥陽子