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フォーマルパーティーで、自分をブラッシュアップ!
実は増えてる、日本の“フォーマルパーティー”

 バブル再来!? パーティーは不慣れと言われている日本人だが、ここ数年の間に、「ピンクリボン」や「セーブ・ザ・チルドレン」など、大規模なチャリティパーティーやセレブパーティーなどの華やかな宴が、国内でも多く開催されるようになった。中には大使館主催など、男性もタキシードがドレスコードの格式の高いパーティーも見られる。

 そこで最近のパーティー事情やフォーマルマナーについて、フォーマルウェアメーカーの老舗「東京ソワール」のファッションディレクターであり、国内外のセレブパーティーに多々出席している伊藤佳代子さんにお話をうかがった。

 「確かにここ2〜3年の間に“パーティー”の開催は増えています。特に多くなってきたのはアッパークラスの方々が集うチャリティパーティーですね。ノブレス・オブリージュ(貴族の義務、高貴な義務)の精神が定着している欧米の上流階級では、そういったパーティーは常時行われていますが、日本もそれに習い、振る舞いや装いに慣れてきた方が増えてきたという現れかもしれません」(東京ソワール・伊藤さん)

東京ソワール・伊藤さん

 パーティーの本来のあり方は楽しい時間と交流を共有すること、その中には素晴らしい人脈やビジネスチャンスに結びつく可能性も多く含まれているのだそう。

 「パーティーの会費は安くはないですよね。せっかくですから、品格の高いものに出席した方が、自分にとって価値のある時間になると思います。“セレブパーティー”と称してはいても、実際は合コンやお祭り騒ぎ、主催側の集金が主目的であるパーティーも多く玉石混交です。社会貢献とジョイントしている“大人の社交場”に参加なさることをおすすめします。また、紳士の皆様。くれぐれも会費の元をとろうなどと、お酒や食事をガッツいたりなさらないように!!!」

“本場”のパーティーとは何が違う?

 現在、Webサイトからマナー検定も受けることができる、国際儀礼マナースクール「エコール・ド・プロトコール・モナコ」(http://www.protocole.jp/index.php)にてプロトコール(世界標準マナー)を学び、ヨーロッパ社交界にもデビュー済みであるトータルイメージコンサルタントの嵯峨裕美子さんは、日本とヨーロッパのパーティーの違いをこう語る。

 「ヨーロッパではモナコ王室舞踏会やパリの舞踏会などに参りましたが、日本と大きく違うと思うところは、必ずカップルで参加されていることです。とくに年配のご夫婦は素敵なカップルの方が多いですね」

 ヨーロッパではエスコートは“教養”として必須になっており、スマートなエスコートによって女性はより一層輝くのだそう。また、パーティーでの装いもさまざまに使い分けられているという。

ヨーロッパのパーティー

 「日本では、ドレスコードがあっても、ビジネススーツ・スタイルでパーティーに行かれる男性がほとんどでないでしょうか。昼のビジネスシーンと夜のパーティーシーンを使い分けている方はやはり素敵です。フォーマル(正礼装)ならホワイト・タイ、セミフォーマル(準礼装)ならブラック・タイ、インフォーマル(略礼装)でも国や場所によってはジャケットを着用することもあります。おしゃれを楽しんでいる方は、パーティーでも目を引きますね」

「エコール・ド・プロトコール・モナコ」主催のパーティー

 素敵な装いをするのも、コミュニケーションをスムーズにするツールの1つと嵯峨さんは話す。とはいえ、パーティーの経験が少ないと、なかなか着こなしがわからないフォーマルウェア??以下に、一般的なパーティーに多い準・略礼装のマナーを詳しくご紹介しよう。

これで安心!!シーン別“着こなし”攻略シート

【フォーマルマナー・昼編】

●ホテルやレストランで行われる、格式の高いパーティーでの“準礼装”
・ブラックスーツかディレクターズスーツが基本。ディレクターズスーツの方が格上。タキシードは夜の礼装なので注意!
・スボンの裾は、上衣をダブルにした場合でもシングルに。
・ソックスは黒を履こう。
・カフリンクスはパールや白蝶貝など、白い石。台はゴールドかシルバー。タイタックやタイピンも揃える。
・靴は、黒のキッドやカーフ素材の紐を結ぶタイプ。ストレートチップか、プレーントゥのバルモラル(肉羽根式)。

●「平服指定」と書かれた気軽なパーティーでの“略礼装”
・ダークスーツ、もしくはブレザー&スラックス。
・ネクタイとベスト、もしくはチーフとタイを揃えるとドレッシーになる。
・ソックスはスーツの色と合わせる。
・サスペンダーはできるだけ着ける。
・靴は、黒のキッドやカーフ素材で、黒が無難。底の薄いものを。

【フォーマルマナー・夜編】

●ホテルやレストランで行われる、格式の高いパーティーでの“準礼装”
・礼装よりは遊び心のあるファンシータキシード、またはシルクシャンタンなどの上質で凝った素材のファンシースーツ。
・ジャケットは1つボタンのピークドラベルを。
・シャツの襟はレギュラーかウィングカラー。
・タイと、カマーバンド、もしくはチーフは合わせる。
・スタッドボタンとカフリンクスの色や素材は自由。
・スラックスは側章1本でサスペンダー使用。
・靴は、黒のエナメル。ほか、キッドやカーフ、ヌバック素材でも良い。

●「平服指定」と書かれた気軽なパーティーでの“略礼装”
・ダークスーツ、もしくはジャケット&スラックス。
・シャツは襟高の高いレギュラーカラー&ダブルカフスを。
・ネクタイとベスト、もしくはチーフとタイを揃えるとドレッシーになる。
・シャツをオープンにし、アスコットタイやストールタイを。Vゾーンをビジネスライクにしないことが、招待者への祝福を示す。
・遊び心のあるアイテムで、自由でエレガントな着こなしを。

レザージャケット/ストライプシャツ/パンツ

 “昼は固めに、夜は自由に”がパーティースタイルの心得であるが、いずれのシーンでも大切なのは、決まった形式の中にも自分らしさとおしゃれ心を忘れずに盛り込むこと。自分のスタイルをビシッと決め、自信を持ってパーティーの雰囲気を楽しもう。

嵯峨裕美子01 嵯峨裕美子02

美のカリスマ「嶋田ちあき氏」や、「カラーミービューティフル」の日本代表に師事し、ヘアメイクアーティスト、パーソナルカラースタイリスト、フォーマルスペシャリスト、個人の魅力を引き出す「トータルビューティープロデューサー」として活躍中。「エコール・ド・プロトコール・モナコ」、「日本ブライダルプロトコール協会」の認定講師も務める、美と社交のエキスパート。

オフィシャルサイト:http://www.sagayumiko.com/
サンマリエ恋愛カレッジ「恋も仕事もパワーアップ」にて、モテる男の身だしなみ&マナー講師担当:http://www.sunmarie.com/college/lecturer/index.html

取材・文/似鳥陽子