杉山淳一の+R Style:第5鉄 飛行機に乗らない日こそ羽田空港へ行く――東京モノレール (1/2)

「週末ヒマだなぁ……」というあなたに、ぜひオススメしたいのが羽田空港だ。なぜなら、羽田空港は東京でも屈指の、隠れたエンターテインメントスポットだから。浜松町と羽田空港を結ぶ東京モノレールなら、飛行機に乗らなくても、東京湾岸の“遊覧飛行”が楽しめる。

 都内でダイナミックな車窓を眺めたいなら、東京モノレール羽田線をオススメしたい。都心から羽田空港へのアクセス路線として全国的に有名で、地元の競馬ファンにとっては大井競馬場へ通う足でもある。しかし、飛行機に乗る人も競馬に行く人も、車窓を眺める余裕はないかもしれない。だからこそ、用事のない時に乗りにいこう。東京湾岸を低空飛行するような風景を楽しめる。

乗るなら各停、運転席直後の左側に座ろう

ay_mono01.jpg 浜松町駅で出発を待つ1000形

 羽田空港へのアクセスは、浜松町からの東京モノレール羽田線、品川から蒲田経由の京浜急行電鉄、都内各地からのエアポートバス、マイカーなどいろいろ選べる。だけど「羽田空港で遊ぶ」と決めたら、浜松町から東京モノレールで出かけたい。便利さよりも楽しさ優先。鉄道ファンとして京浜急行には申し訳ない気持ちもあるけれど、空港への車窓なら東京モノレールが一番おもしろい。

 浜松町から羽田空港第1ビルまで、「空港快速」なら約18分。「区間快速」は20分、各駅停車だと23分かかる。空港快速はノンストップで気持ちいいけれど、車窓を楽しむなら各駅停車がいい。オススメの座席は先頭車両の左側。東京モノレールの室内は中央が高くなっている。運転席後ろの真ん中に陣取りたくなるけれど、ここはオススメできない。シート位置が高いので、窓を見下ろすスタイルになるし、前方は運転士さん用の日除けスクリーンがあるので、実は景色を見づらい。運転台直後の右側は、前面の非常扉が目障りだ。というわけで、運転台の後ろのドア寄りがベストポジション。ここなら右側の窓も見にいきやすい。

ay_mono11.jpg 意外にオススメできない、運転席の真後ろ。運転士さん用の日よけスクリーンがあって、実は景色を見づらいのだ

 浜松町を出た列車は高いところを走る。左手には浜離宮の緑が見える。右側はJRの線路をまたぎ、山手線、京浜東北線、東海道線と新幹線を見下ろせる。鉄道の景色を見たいなら、この先の左カーブまでは右の車窓が楽しい。ビルの谷間の最後は芝浦アイランドタワー。その向こうにレインボーブリッジが姿を見せる。続いて新幹線の高架を潜る。「新幹線ってこんなところを通ったっけ?」と不思議に思うかもしれないが、この線路は回送専用で、田町付近と大井ふ頭の車両基地を結んでいる。

ay_mono02.jpgay_mono03.jpg 先頭車。中央部はオススメできない(左)。首都高速羽田線を渡り、新幹線の回送線を潜る(右)

 車窓右側に東京海洋大学キャンパスを見下ろす。その向こうは品川の高層ビル群だ。このあたりは夜景も楽しい。正面にもビル群が見えて、最初の停車駅は天王洲アイル。かつて倉庫が並んでいたこの地は、オフィスやホテル、劇場などもある街に変わった。天王洲を出ると、列車は京浜運河の真上を走り出す。左手の車窓は対岸の埋め立て地。岸は京浜運河緑道公園として整備されているので、海の青と並木の緑が美しい。この緑は途中から大井ふ頭中央臨海公園となり、次の大井競馬場前駅のちょっと先まで約4キロメートルも続く。空の遠くには飛行機も見える左の車窓がオススメ、という理由の1つがここだ。

ay_mono04.jpgay_mono05.jpg 車窓からは大井競馬場をチラ見。眼下は厩舎だ(左)。大井ふ頭中央臨海公園から見たモノレール(右)

ay_mono00.jpg 流通センター駅付近を走るモノレール。このあたりは東京の物流を支える倉庫街となっている

 流通センター駅付近は倉庫街になっており、ビルの高いところまでトラックが行き来するようすが面白い。運河を越えると昭和島駅。各駅停車は側線に入り、快速列車が通過するのを待つ。普通の鉄道では良くある風景だが、モノレールでこの構造は珍しいから、鉄道ファンなら前方を注視したくなるところだ。車窓右手には車両基地もある。

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