-コデラ的-Slow-Life-:古いカメラ&レンズを選ぶための、3つのチェックポイント

今からフィルムカメラを買うなら、中途半端に最近のものより、80年代以前に作られたものを買うことをオススメする。だが中古品は、きちんと動くことをしっかり確認してから買いたいもの。今回は3つのポイントを解説する。

 どうせフィルムのカメラを買うなら、中途半端に最近のものを買うよりも、80年代以前に作られた、しっかりしたものを買うことをお勧めする。なぜなら当時のカメラは、量産品でありながらも手作業が多かったためか壊れにくく、たとえ壊れても修理がしやすいからである。

 重いとかデカイとか言ってはいけない。むしろ軽量化されたプラスチックボディは、中古になれば傷だらけで、美しさがない。それよりもずしっと頑丈で、いつまでも輝いている金属製カメラがいい。

 中古カメラを買うときにチェックすべきポイントは、いくつかある。ジャンクとして売られているなら別だが、完動品としての値段が付いているなら、きちんと隅々まで状態を確認すべきだ。というのも棚の中で長く眠っていたりすると、グリスが固着して動かなくなったりするものもあるからだ。人間と同じで、動かしていないと調子が悪くなるものなのである。

 ただしほとんどの場合、そのカメラに初めて触るわけだから、使い方が分からないことも多いだろう。その場合は力任せに動かさず、店員さんに使い方を教わったほうがいい。正しい操作をしないと、壊れてしまうものもあるからだ。なにせ昔のものなので、イレギュラーな動作に対する安全設計などはほとんど考えられていないと思った方がいい。

 中にはフィルムを入れないと、正確な動作が分からないものもある。フィルムのパーフォレーションが歯車を回すことで、シャッターがチャージされるような設計のものだ。この場合はフィルムレバーの巻き上げと同時に指で歯車を回すと、フィルム装填時の動作が分かる。

3つのチェックポイント

 チェックポイントその1、まずはレンズだ。カメラの裏ぶたを開け、バルブモードがあるものはそれでシャッターが開いた状態にして、光に向けて裏側からのぞき込む。ここでチェックすべきは、レンズのカビや曇り、傷などである。

 レンズの痛みばかりは、自分では直せない。拭けばきれいになるかも、と思うのは早計で、全力でクリーニング済みその程度だったりするので、要注意だ。掃除してきれいになる可能性があるのは、ボディも汚れていて、要するに1回もクリーニングしたことがなさそうなものぐらいである。

 多くの人は、レンズの前のほう、つまり前玉の傷や汚れを気にするが、そんな手前のものには絶対にピントが合わないので、影響はほとんどなくなってしまう。写りに影響するのは、フィルムに近いほうの後玉である。ここが曇っていると、まず撮れる写真もぼんやりする。逆に言えば、前玉の小さな傷や汚れ、コーティングの変色などで格安になっているものは、お買い得品だ。

 これは一眼レフ用のレンズでも同じである。最近はデジタル一眼にオールドレンズを装着して楽しむ人が増えているが、このセオリーを覚えておくと、程度の良いレンズを格安で手に入れることができる。

ay_kodera01.jpg 多少の変色は、我慢する
ay_kodera02.jpg これだけ写れば十分だ

 チェックポイント2つ目は、シャッターの動作確認だ。最高速から最低速まで順に試してみて、ちゃんと速度が変わるか確認する。中には“高速シャッターはOKだが、低速だけダメなので格安”というものも結構ある。こういうものも実はお買い得だ。例えば1/10秒以下のスピードがダメでも、そんな低速シャッターはどうせ手持ちでは撮れないので、使う機会は少ないはずである。

 一応絞りも確認したほうがいいが、マニュアルのカメラでそこが壊れているものはほとんどない。露出計が付いているものは、それと連動できているかをチェックすべきだ。

 そう、3つ目のチェックポイントは露出計の動きである。メーターがないものは動作確認がしにくいが、レンズチェックと同じ要領で、明るいほう、暗いほうを向けて、シャッタースピードや絞りが変化するかをチェックする。ハーフなどコンパクトカメラでは、シャッタースピードが変わるものは少ない。だいたい絞りを変えることで露出調整しているものである。

 オートとマニュアルがあるものは、マニュアルモードでの動作も確認する。オートに対するマニュアルモードの役割は、ほとんどがストロボと同調させるためである。したがってマニュアルにすると、シャッタースピードが1/30か1/60に固定されるものが多い。ヨーロッパ製のカメラでは、だいたい1/25か 1/50である。このあたりの理由はよく分からないが、おそらく電源周波数と同調させるためだろう。

 中古カメラ自体それほど高いものではないが、普通はどうせ買うならちゃんと動くもののほうがいいだろう。もちろん壊れているのを承知で、自分で直すというのならば別だ。筆者はそもそも壊れたカメラしか買わないので、1万円以上のものを買うことはまれである。

 ただし一眼レフ用のレンズは別で、50mm前後の標準レンズ以外は、大抵1万円以上する。特にワイド系は人気が高く、望遠よりも高いのが普通である。中古レンズを集めてレンズ大尽になるのも、悪くない遊びである。

小寺 信良

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映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。


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