-コデラ的-Slow-Life-:中古カメラ、店選びと買い物の作法

本連載ではジャンク品の中古カメラを買ってきて分解修理を行っているが、「そもそも中古カメラって、どこで売られているの?」と疑問に思う方もいるのでは。今回は初心者にも入りやすい、おすすめの中古カメラ店を紹介する。

 デジタルカメラの普及で、写真に興味を持つ人が増えている。中にはフィルムカメラを使ったことがないという人も、そろそろ出てくる頃だろう。最近は中古カメラショップでも、大学生や専門学校生の姿を見かけることが珍しくなくなってきている。

 古いカメラの世界に興味があっても、なかなか店に足を踏み入れづらいという話をよく聞く。だいたい中古カメラなどというのはそんなに流行らない商売なので、奥まったところにちんまりした店が多いのも事実だ。薄暗い店のドアを開けると、誰もいない店内の奥に座った頑固そうな店主が眼鏡の隙間からジロリと視線を送り、隙あらばライカの一つも売りつけてやろうと虎視眈々狙っているようなイメージがあるのかもしれぬ。

 まあ中にはそういう店もないとも限らないが、筆者がよく通うショップはいつもドアが開けっ放しで、お店の人も忙しそうに働いている。お客もそこそこ多く、中には常連さんと無駄話で盛り上がっているところに遭遇することもある。実際は気楽なものである。

 もし初めて中古カメラ屋に行くというのなら、東京の事情のみで恐縮だが、新宿西口のカメラのキムラ新宿店(参照リンク)あたりから始めるといいだろう。店の規模もそこそこ大きく、店員さんも一般のカメラ量販店と変わらず親切だ。ただ、売っている商品が全部中古というだけである。

 中古カメラ店のシステムは、どこもだいたい同じだ。カメラは全部ガラスケースに入っているので、めぼしいモノを2〜3点見つけておいて、まとめて店員さんに出してもらおう。品定めはカウンターで行なう。

 出してもらったからといって、必ず何か買わなければならないわけではない。気に入らなかったら「すいませんやっぱり結構です、ありがとうございました」と言えば終わりである。店員さんが元の場所へしまってくれるので、また続きを見て回ればいい。

 買わないと悪い気がするという人もいると思うが、お店側もそうそう簡単に売れるとは思っていないので、別にいやな顔をされるわけではない。中古カメラ店は目的のモノが必ずおいてあるわけではないので、基本ひやかし前提、トライ&エラーの商売なのである。

楽しいお店巡り

 中古カメラ店をいろいろ回っていると、それぞれ特徴があり、うまく棲み分けているのが分かる。前出のキムラ新宿店は、国産一眼レフとレンズに強い店だ。きちんと分類されているので、初心者でも分かりやすい。

 同じく新宿西口、ヨドバシの裏手にある中古カメラ市場(参照リンク)は、海外モノが充実している。といってもライカ一辺倒というわけではなく、バラエティに富んだ品揃えである。筆者はいつもジャンク棚しか見ていないのだが、品物の回転が速く、行けばいつも何かしら掘り出し物が見つかる。過去の連載で取り上げたカメラの7割ぐらいは、ここで買った物だ。

ay_kdr01.jpg 中古カメラ市場で買ったExa IIaのジャンク

 すぐそばのカメラBOX(参照リンク)は、気さくな雰囲気で覗くのが楽しい店である。サイトには若い女の子が写っているが、普段の雰囲気はこれから女の子をマイナスした感じだと思っていただければ間違いない。ここはジャンクと認定するハードルが低く、少し調子が悪いぐらいではジャンクコーナーには置かれない。その代わり時々びっくりするような珍品が超格安で売られていたりするから、油断ならない。

 場所は少し離れるが、中野のフジヤカメラ ジャンク館(参照リンク)も面白い。ここは品物の回転が速いので、完動品でも大して値が付かないものはジャンク扱いで、どんどん売られていく。ただし行くなら午前中にしないと、めぼしいモノはあらかたさらわれてしまう。

 良い店がある一方で、ダメな店もある。これは中を覗いてみれば、すぐ分かる。やたらと品物に触るななどと注意書きがいっぱいある店は、ダメだ。ラーメン屋と同じで、能書きの多い店はだいたい大したことはないのである。あと店主の創業話をチラシにして配ってたり、どう見てもカメラのことを知らなさそうなアルバイト店員しかいなかったりする店も、ダメだ。こういう店は、古いカメラをアンティークな置物ぐらいにしか見ていない。

 まだまだ紹介したい店がたくさんあるのだが、お気に入りの店を1つ見つけるだけで、ずいぶんカメラライフが広がるものだ。次回はカメラ選びのコツをお教えしよう。

小寺 信良

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映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作はITmedia +D LifeStyleでのコラムをまとめた「メディア進化社会」(洋泉社 amazonで購入)。


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