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特集 一生モノの万年筆:万年筆――「自分の1本」を探す旅 (2/2)

最近の万年筆業界の中で、とりわけ元気なのはイタリアメーカー。それを否定する人はいないだろう。老舗メーカーも元気なら、万年筆黄金時代である1920〜50年代へのオマージュとして、新たに万年筆作りを始め、熱狂的な支持を受けているメーカーも数多い。 製品としての精度の高さや堅牢さとなると一歩譲るが、デザインの美しさやセクシーさといった点ではひときわ際立つ――ドイツ車と比べたイタリア車の魅力に近いものがあるのが、イタリア製万年筆の特徴だ。 |
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メタルプレート製のキャップリングに、グレカパターンの模様を刻印。ボディには同社独自のアウロロイド樹脂を用いている。ブルーやグリーンといった鮮やかなカラーが非常に美しい万年筆で、所有する喜びが味わえそうな一品。14金ペン先で、インクはリザーブタンク付きのピストン式。全長126ミリで27グラム。価格は5万9850円。 |
従来の大手欧米メーカーが万年筆のラインを縮小させているなかで、イタリアでは先述の通り万年筆の黄金時代を再現しようとするメーカー(ファクトリー)が次々と登場している。1982年創業のデルタなどもそうだが、ビスコンティは1988年と、さらに若い。 |
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色っぽいイタリアン万年筆と比べてしまうと、どこか地味な印象を持ってしまうが、作りの確かさや信頼性、高級感といった点では欧米の老舗メーカーは一歩も引けを取らない。それこそ選びようがないほど優れた製品がたくさんあるが、あえて独断と偏見で4本を取り上げてみた。 |
万年筆の歴史は、1883年、ルイス・エドソン・ウォーターマン氏による毛細管現象を応用したペン「ザ・レギュラー」の発明に始まると言われる。いわば万年筆のルーツともいえる同社が現在、中核モデルに据えているのがこの「カレン」だ。 |
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筆者は、このデュオフォールドのモデルの一つである「デュオフォールド センテニアル チェック」のグリーンPTをモンブランの「マイシュターシュティック149」とともに自宅の書斎で愛用しているが、筆圧の強い筆者が、筆圧をほとんどかけずにすらすらと書けるのには、ある種の快感さえ覚える。一言、名品である。 |
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1997年にはドイツの筆記具専門誌「スクリプタム」で「ペン・オブ・ザ・イヤー」を受賞したお墨付きの傑作である。ペン先は18金で、回転吸入方式を採用している。写真を見れば分かるとおり、「高級万年筆」のイメージにぴったりの一品。価格は5万2500円だ。 また同じスーベレーンで300というシリーズがあり、こちらはキャップを閉じた状態で110ミリとトラベルサイズ。持ち運びのしやすさという点では、射程に入ってくる1本だろう。 |
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日本の大手筆記具メーカー、パイロット、プラチナ、セーラーの3社も全盛期に比べると、万年筆の製造ライン、品揃えを縮小している。以前なら入学祝などに万年筆はつき物だったが、最近ではパソコンなどがそれに取って代わってしまっているせいもあるだろう。こうして低価格ラインから万年筆は消えてきてはいえるが、しかし、熱心な万年筆ファンに向けた製品は、3社とも精力的に出し続けている。その中で「1本」を選び出すのは困難な作業だったが、あえて特徴ある2つの製品を紹介することにしよう。 |
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同氏の受賞理由は、長年に渡る万年筆製造の優れた技術を評価されたものだが、中でも同氏の卓越した技術を示すものは長刀(なぎなた)研ぎといわれるペン先の作成技術と調整技術である。同氏の長刀研ぎとは、刀を上段から切り下げ、途中で方向を変える、いわゆる「燕返し」の技をイメージしたもので、ペン先の筆記角度を広くし、ペン先の筆記面を長く研いでいる。その結果、字幅を即座に変えることができ、日本語の特徴である「止め」や「払い」も美しく表現できる。もちろん、この受賞記念万年筆も長刀研ぎで作られている。日本の万年筆メーカーは、万年筆で日本語をうまく書くことで切磋琢磨してきたが、その集大成ともいえるのが、長原宣義氏の長刀研ぎというわけである。実際、書いてみれば分かるが、その独特のヌメーとした書き味、そして美しい漢字の表現技術は、長原氏の万年筆ならではのものである。 この受賞記念限定万年筆は8万4000円と決して安くはないが、同氏の技術はセーラー万年筆の各製品にも幅広く生かされており、「プロフィット21」などといったよりリーズナブルな価格ラインの製品でも、長刀研ぎの素晴らしさを味わうことができる。誰が使っても書きやすく、手首などに負担をかけないということでは、日本が誇る名品といって間違いないだろう。 |
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文字通り、万年筆で常識のキャップがなく、ボールペンのようにノックしてペン先を出すことができる。1963年発売のロングセラー商品で、デシモ(スペイン語で10番目を意味する)のネーミングとおり10世代目の製品である。 軸はアルミ塗装仕上げで、ペン先は18金。いわゆる高級万年筆ではないが、軽くて持ち運びやすく、手軽に使う万年筆として勧められる製品だ。価格もリーズナブルな1万5750円である。 |
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ラミー2000という名称を聞くと、2000年あたりの発売かと思ってしまうが、実は1966年、今から40年以上も前に発表された製品である。その当時に2000年をイメージして作られた作品だが、2000年はおろか2009年になっても少しも古びた感じがしない、いやそれどころか斬新な印象を今なお与え続けるのは、驚きですらある。 このラミー2000は2代目社長であるマンフレッド・ラミー氏が、機能性追及が中心だった当時の製品作りの中で、「機能によって形作られるデザイン」というバウハウスデザインのコンセプトに基づき、当時、ブラウン社製品のデザインを手がけていたゲルト・ハルト・ミュラー氏に委嘱して作らせたものだ。 一見何の変哲のないデザインに見えるが、流線型のフォルムはグリップしやすく、クリップなどにもポケットに挿しやすいよう工夫が施されている。ペン先は胴軸と一体化したデザインで書き味も素晴らしい。そのほかにもこだわりどころ満載の製品である。 万年筆のほかボールペン、ペンシル、4色ボールペンなどがあり、シリーズでそろえることができる。万年筆でも2万4150円という低価格だが、使っている人を見ると「お、分かっている人だな」とつい一目置いてしまうのが、このラミー2000という製品のすごさである。 |
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取材・文/+D Style編集部





















