+D Style News:“マイクロハイブリッド”になった「スマート」に試乗してきた

マイクロコンパクトカー「スマート」が“マイクロハイブリッド”に。……ところでマイクロハイブリッドって何だ?

photo スマート フォーツー mhd

 メルセデス・ベンツ日本は12月2日、2人乗りのコンパクトカー「スマート フォーツー mhd」を発売した。価格は、「スマート フォーツー クーペ mhd」が184万円、電動ソフトトップを採用した「スマート フォーツー カブリオ mhd」が213万円。

 先代の「スマート フォーツー」に、新たにドライバーのブレーキ操作に応じてエンジンを始動/停止するアイドリングストップ機能を搭載した。ブレーキ操作によって車が時速8キロ以下になるとエンジンが停止し、ブレーキを離すと0.35秒で再びエンジンが始動する。これにより、燃費やCO2排出量を削減。10・15モードでの燃費は従来のリッター18.6キロから23キロに改善されている。

 また緊急ブレーキ時にハザードランプが点滅し、後続車に追突の危険を知らせる機能を標準装備した。1リッターの直列3気筒エンジンを搭載し、マニュアルモード付きの5速ATを採用する。

 価格は従来モデルより8万円高く設定されたが、輸入車としては初めて「アイドリングストップ自動車購入補助金制度」の対象となり、最大で3万5000円の補助金を受けられるという。


photophotophoto シフト部分にはアイドリングストップ機能のオン/オフを切り替えるスイッチが設けられている(写真右)

5秒以上停止すれば、アイドリングストップが省エネ

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 原油高や環境意識の高まりの中で、マイクロコンパクトカーの注目は高まる一方だ。輸入車では今年の3月に「フィアット500」が日本市場に進出し、順調な販売を続けている。また11月20日にはトヨタの「iQ」が発売された。

 その中で、1998年に登場した「スマート」は、マイクロコンパクトのパイオニア的な存在といえる。「都市部での平均乗車人数は1.2人」というヨーロッパでの調査をもとに、大胆な省エネ・省スペースのパッケージングを図った意欲作であった。2007年にデビューした2代目は、ボディーサイズのアップに賛否両論があったものの、その分、衝突安全性や居住性は高まっている。

 今回、モデル名に新たに加わった“mhd”は、“マイクロハイブリッドドライブ(micro hybrid drive)”の頭文字。モーターや回生機構を搭載したフルパッケージのハイブリッドに対し、アイドリングストップ機能だけを備えた最小限のハイブリッドという意味を表している。


photophoto アイドリングストップ機能の作動状況はインパネのインジケーターで確認できる

 先述の通り、時速8キロ以下になるとエンジンが停止するこのシステム――「停止前にエンジンブレーキがなくなるのはちょっと恐いなぁ」と思ったのだが、実際に試乗してみると特に気になることはなかった。同社の説明によれば、エンジンの停止時間が5秒以上続けば、再始動にかかるエネルギーを差し引いてもアイドリングストップが省燃費になるという。信号だらけの都市部では、大いにメリットが期待できるだろう。

乗り心地は?

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 ブレーキを離すことがエンジン再始動のトリガーとなるので、アクセルへ足を踏み換えている間にエンジンが掛かりはじめる。“止まろうと思ったら信号が青になった”といったシチュエーションでも、慣性走行の状態から素早くエンジンが動きだし、日常的な乗り方で加速が遅れる印象は受けなかった。再始動の音もなかなか静か。

 個人的に気になったのは再始動時の振動だ。音と同様にこちらも非常に小さく抑えられているのだが、停止しきらずに再加速を行う時には、不意に車がブルッとふるえるのに違和感を覚えた。完全に停止している状態での再始動は“心の準備”ができているし気にならないが、走行中はエンジンが停止しているかどうかが感覚的に分かりにくいので、ちょっとした振動にも意識が向いてしまう。

 もちろん、アイドリングストップ機能はオン/オフが可能で、ボタン操作で簡単に切り替えられる。また、バック時には自動で機能がオフになるので、駐車時にエンジンが停止することはない。



 デビューから10年、斬新なパッケージゆえに販売面では苦戦を強いられてきたスマートだが、そのコンセプトがやっと広く認められる時代が来たのかもしれない。だからこそ、マイクロコンパクトのパイオニアたるスマートを差し置いて、他社のモデルがヒットする構図は許せないはず。今後のモデルチェンジでスマートがどんな方向に進化していくかにも注目したい。

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