秋の上海へ行こう!特集 上海の最新スポットを楽しむ(1/3 ページ)

» 2008年10月27日 09時30分 公開
[ITmedia]
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個性派レストランで 上海蟹を味わう!
秋といったら、「上海蟹」

 上海で味わう秋の味覚と聞いて、真っ先に思い浮かべるのが上海蟹だろう。この季節になると多くのレストランが上海蟹の看板を掲げ、ビジネスマンや観光客を相手に激しい集客合戦を繰り広げる。上海名物として広く知られる上海蟹だが、実は中国で「上海蟹」と言っても通じない。一般的な名称は「大閘蟹(ダージャーシエ)」。上海からほど近い、江蘇省の陽澄湖や太湖で捕獲、養殖されたチュウゴクモクズガニを指してこう呼ばれている。

 これまで人気の上海蟹レストランといえば、いわゆる老舗の中国料理店が多かった。産地の不確かな蟹も出回る中で、その品質や味が庶民の支持を集めてきたのだ。しかし最近では、高い品質と味わいを保ちつつ、従来の上海蟹レストランに対するイメージを一新してくれる個性的なお店が続々と誕生している。

老舗とは違った趣で楽しむ上海蟹

 外国人ビジネスマンが多く集まる古北新区に店を構える「凌瀧閣」は、昨年に香港オーナーがオープンさせた上海蟹専門店。赤を基調とした店内は、中国の伝統的な趣を残しつつ、中国料理店にありがちなゴテゴテした印象を感じさせないスタイリッシュな雰囲気。このオシャレ感に加え、多くのビジネスマンに受ける最大の理由が、オープンフロアを持たず、すべて個室から構成されているということ。

 これは、「お客様のプライベートを守り、静かな環境の中でゆっくりと食事を楽しんでほしい」というオーナーの願いをかたちにしたもの。部屋は中国料理店では珍しい2〜3人用の小さな個室から、50人が座れる豪華な個室まで全24室。さりげなくフラワーアレンジメントが配されていたり、上質な中国アンティークが使われていたりと、ゲストへの心配りがあちこちに散りばめられている。

凌瀧閣01
(左)凌瀧閣02 (中)凌瀧閣03 (右)凌瀧閣04

 料理は「上海蟹の姿蒸し」をはじめ、「蟹ミソとフカヒレの姿煮」「蟹ミソとむき河エビの炒め物」など、香港の名店で腕を振るってきたシェフによる絶品の数々がテーブルを彩る。上海蟹がシーズンオフを迎える4月から6月には、オランダ産のチュウゴクモクズガニが使用される。清代に貨物船と一緒にオランダにわたり、自然繁殖したのが始まりで、上海蟹にも勝る深い味わいが楽しめるという。それぞれの時期で最もおいしい蟹を使用することで、1年を通して最高級の料理を提供し続けることができるのだ。

「凌瀧閣」
紹興酒&上海蟹のベストマッチ

 中国料理レストランで食べる本格上海蟹料理もいいけれど、もっと気軽に上海蟹を楽しみたい人におススメなのが、甕(かめ)だし紹興酒が楽しめるレストラン&バー「妃香酒館」。

 お客さんの9割以上が日本人駐在員というこの店は、「居酒屋感覚で気軽に紹興酒が飲める店」というコンセプトのもと、日本人オーナーの大瀬雅弘氏が2005年にオープン。紹興酒の故郷・紹興の酒場をイメージして作られたという店内は、ジャッキー・チェンの古い映画に出てきそうな中国らしい趣を漂わせている。

 この店に「上海蟹の姿蒸し」が登場するのは、上海蟹が旬を迎える10月から12月までの3カ月間。「この時期、上海蟹料理を出す中国料理店は多いですが、姿蒸しだけで勝負している店はおそらくここだけ。姿蒸しと紹興酒、このベストマッチを楽しんでほしいんです」と大瀬さん。

妃香酒館01
(左)妃香酒館02 (中)妃香酒館03 (右)妃香酒館04

 通常のメニューも、店の水槽から直接調理場へと運ばれる活け海老を使った料理がメイン。日本酒や焼酎に比べて味の濃い紹興酒には、素材の味をしっかりと持つ蟹や海老を使った料理がピッタリなのだという。多くの上海蟹レストランが22時前後で閉まってしまう中、夜中2時まで楽しめるというのもうれしい。上海蟹の値段も1杯90元からとリーズナブルだ。

 紹興酒は3年、5年、10年、15年の4種類。黒々とした液体が大きな甕から杓子で注がれると、ほのかな甘みを伴った濃厚な香りが立ち込める。各年代によって香りも色も味わいも全く異なるが、女性の方やお酒だけを楽しむ方には豊かな甘みを持つ10年モノがおススメだそう。食事と一緒に楽しむときはサッパリした5年モノを。

 とはいえ、肩肘張ったルールを持たない中国のお酒は、自分が好きなように飲むのが一番おいしい楽しみ方。上質な紹興酒と上海蟹で、いつまでも居座りたくなる心地のいい空間だ。

「妃香酒館」

取材・文/石崎梨枝
編集/似鳥陽子



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