天才物理学者“ガリレオ”再来――「容疑者Xの献身」完成披露イベント+D Style News

» 2008年09月22日 22時36分 公開
[小笠原由依,ITmedia]

 最高視聴率24.7%を記録した2007年放映の月9ドラマ「ガリレオ」は、物理学を用いて事件を解決する天才物理学者という斬新なキャラクターが記憶に新しい。同シリーズの最新作でありドラマの放映中から同時進行で製作が行われてきた映画「容疑者Xの献身」が、10月4日から全国東宝系でロードショーされる。

 公開を来週末に控えた9月22日、ドラマ、映画ともに監督を務めた西谷弘氏と、主演の福山雅治さん、柴咲コウさん、堤真一さん、松雪泰子さんらがそろった完成披露イベントが行われた。

photophoto 登壇する出演者たち

 帝都大学理工学部物理学科で准教授を務める“ガリレオ”こと湯川学は、その徹底した合理主義と「どんな些細なことにも必ず理由はある」をモットーに、貝塚北署の熱血刑事、内海薫の持ち込む難事件のトリックを科学的に実証し解決に導いてきた。

 ある日、内海の勤務する貝塚北署管内で殺人事件が起こる。被害者は、39歳無職の富樫信二で、身元が一切分からないよう全裸で指紋はすべて焼かれ顔も鈍器でつぶされていた。

 捜査を進めると富樫には、過去に別れた妻・花岡靖子と娘・美里がいることが発覚。妻と娘は都内で弁当屋を営み生活をしており、訪ねて聞けば事件時間に完璧なほどのアリバイもある。

 完璧すぎるアリバイに、内海の尊敬する先輩刑事・草薙俊平は疑問を抱く。花岡を訪ねた際に通りかかった花岡の隣人、石神哲哉にも靖子たちの事件当日の様子を聞くと、郵便受けを開けながら答える石神。彼が取り出した封筒から、湯川や草薙と同じ帝都大学出身であることを知る。

 事件のことを話そうと湯川のもとを訪ねた草薙と内海が、石神の名を出すと顔色を変えた湯川。そして、湯川は彼のことを「本物の天才」だと言う。

 ドラマからのキャラクター、湯川や内海を中心に、容疑者である花岡靖子、その隣人であり湯川の大学時代の友人、石神の関係や事件のトリックが明らかにされていく。


 今回映画化された東野圭吾氏の同名小説「容疑者Xの献身」は、直木賞を受賞し、ファンの多い作品。

 主役・湯川学をドラマに続けて演じた福山さんは「20年ぶりの映画の仕事で、主演は初めて。(公開を前に)まだ、プレッシャーを感じているが自分が重荷に思えるような仕事ができたことは、良かったと思っている」と、役柄の重みと演じきった満足感を語った。

 半面、撮影現場は明るくにぎやかな雰囲気だったようで、柴咲さんが「撮影中、男性キャストのちょっと卑猥な話に“献身的”に付き合って、(薫のような)男社会でもまれる感覚を味わいました」というエピソードを披露、男性陣が苦笑いをする場面も。

photo 撮影の思い出に笑顔をこぼす柴咲さん

 原作はもちろん、ドラマの人気も高かったことから、「ヒットドラマの映画化=ドラマの続編という構図を壊したかった。原作ファンにも楽しんでもらえて、ガリレオファンのイメージも壊さない作品作りにこだわった」(西谷監督)という。

 舞台挨拶のみに参加した、お笑いコンビ、品川庄司の品川さんは「僕の出番は劇中15秒のみ。今ほかの4人が話していることが初耳の者ばかりで『へぇ〜』と視聴者の皆さんと同様の反応をしてしまうくらい。それくらい客観的な立場から見ても、ドラマファン、原作ファンともに楽しめます」と自身の出演時間の短さで笑いをとりつつもちゃっかりPRした。

 容疑者の花岡靖子を演じた松雪さんは原作ファンとのことで「靖子と、石神(堤)の迎えるラストシーンが大好きで、そのラストシーンに向けてすべてのシーンに献身的に打ち込んできた」と語った。同様に原作ファンの柴咲さんも「初め、ドラマの撮影中に映画化の話をチラッときいたときは少しショックでした。でも、原作に忠実な世界観でいい映画にできあがった」と原作ファンにも納得のいくできのようだ。

photophotophoto 写真左から西谷監督、品川さん、松雪さん

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