+D Style News:静かなだけじゃない“次世代型サイレントバイオリン” ヤマハ「SV150」発表会

静かに練習できるだけでなく、電子楽器ならではの楽しさを追求したサイレントバイオリン「SV150」が登場。発表会ではバイオリニストの奥村愛さんがSV150の新機能を生かした演奏を披露した。

 ヤマハは9月11日、静粛性に配慮した楽器“サイレントシリーズ”の新製品として、“サイレントバイオリン”「SV150」を発表した。単体モデル「SV150」は10月10日に発売。価格は12万750円。弓/ケース/松脂を加えたセットモデル「SV150S」は2009年1月の発売を予定し、価格は14万4900円。

photophoto “サイレントバイオリン”「SV150」(写真左)。発表会ではバイオリニストの奥村愛さんが登場し、SV150による演奏を披露した(写真右)

 「練習時のヘタな演奏で周りに迷惑をかけるのが忍びない」――楽器に興味があっても、そんな理由から最初の一歩を踏み出せないケースは多いだろう。そうした背景の下、ヤマハは1993年に電子回路を備え消音機能を持つ“サイレントピアノ”を発売、その後もブラス、ドラム、バイオリン、チェロ、ビオラ、ギターなど、さまざまなサイレントシリーズを展開してきた。


photo 田村氏

 今回の新製品では、当初のテーマであった静粛性に加え、多彩なエフェクト機能など電子回路を使用するサイレントシリーズならではの魅力を強化した。その一方で、軽量化や、弦の振動を電気信号に変えるピックアップの改良など、よりアコースティックバイオリンに近い演奏感と音色も追求し、「次世代型サイレントバイオリンと言える」(同社管弦打楽器事業部 ストリング設計課 田村晋也氏)モデルに仕上がっているという。


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photophotophoto 奥村さんによる演奏では、まずSDメモリーカードとの連携機能を生かしてホルスト「惑星」第4曲「木星」のオーケストラ演奏データと共演。その後も同社の“サイレントギター”とセッションし、エフェクトを生かした演奏を披露した

電子回路部を別体にして生まれた“本物の演奏感”と“楽器の楽しさ”

 改良の1つは、これまでバイオリン本体に内蔵されていた電子回路部(基板/電池/各種コントロールスイッチ/ボリュームなど)を、外付けの「コントロールボックス」として独立させ、大幅な軽量化を実現したことだ。楽器本体の重さは約490グラムと、従来モデル(SV-200が約620グラム、SV-120が約690グラム)に比べて130〜200グラムも軽くなっている。「以前から、“重い”“バランスが悪い”といった意見をユーザーの声として頂いていた。今回は軽量化に加え重心もセンター寄りとなり、アコースティックに近い演奏感になっている」(田村氏)

 このコントロールボックスには、チューナー機能やメトロノーム機能に加え、バイオリニストで作曲家の中西俊博さんと協力して作り出した24種類のエフェクトも搭載された。リバーブ(残響効果)をはじめ、初心者にはうれしいビブラートの効果なども用意されている。またロック演奏などに合う“ひずみ”のエフェクトに関しては「気合が入っている。上手に弾けない初心者でも、ストレス解消になります」(田村氏)とのことで、全7種類が用意されているという。また、SDメモリーカードスロットが設けられており、SDメモリーカードに収録された楽曲を伴奏として利用することもできる。

photophoto コントロールボックス(写真左)。SV150専用のスタイリッシュなソフトケースも作られた。価格は1万3440円。ホワイトモデルを11月1日から、ブラックモデルを2009年1月から販売する
photophotophoto 葉加瀬太郎さん、高嶋ちさ子さん、そしてエフェクト制作に協力した中西俊博さんらバイオリニストからのメッセージも流れた。葉加瀬さんは、初心者が挑戦した時に「“キタナイ音しか出ない”と感じる前に、音楽の楽しさが伝わる」と、エフェクト機能を評価
photo 永倉氏

 同社管弦打楽器事業部の永倉隆事業部長によれば、サイレントシリーズは初心者のユーザーが半数を占めるが、プロやセミプロによるステージ使用の頻度も高まっているという。またクラシックを題材にした漫画「のだめカンタービレ」のヒットを契機に、バイオリン市場が堅調な伸びを示しているともコメント。美しい音色を出すまでに時間がかかると言われるバイオリンは特に大人の未経験者にとっては手の出しにくい楽器でもあるが、新製品はそうしたユーザー層を開拓する期待も込められている。

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