海の幸の見本市――シーフードショーを見てきた+D Style News(1/2 ページ)

» 2008年07月24日 12時19分 公開
[小笠原由依,ITmedia]
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 原油高で休漁というニュースも飛び交う中、日本の食卓を支えてきた“海の幸”シーフードに、あらためて注目が集まっている。

 魚介類や水産加工品の見本市「ジャパン インターナショナル シーフードショー」(以下、シーフードショー:大日本水産会主催)が7月23日から25日にわたって東京ビッグサイトで開催されている。今年で10回目となる同展示会は、国内外の約500社が出展。「200カイリ海域も含めると世界6番目の国土」(同展示会事務局)という海洋資源に恵まれた日本での“シーフード最前線”をリポートしよう。

マグロ

 世界において食材としてのマグロに対するニーズが高まっており、天然マグロが徐々に減少の傾向を見せているという。シーフードショーでも、資源の減少を前提に“ビジネス”としてのマグロの養殖事業を展開している企業が目立った。


photo ブースでは養殖マグロを寿司などに調理して来場者に振舞っていた

 日本水産(ニッスイ)ではパートナー企業とともに短期型の「伊根まぐろ養殖事業」と長期型の「奄美・甑島(こしきじま)・対馬産養殖本まぐろ養殖事業」を行っている。短期型の伊根まぐろ養殖事業は市場でも特に評価が高く、「天然ものに匹敵する品質という評価をうけることもある」とのこと。100キロ前後のすでに大きくなったマグロを捕獲し、かなり育った状態から養殖を行うことで、早期から養殖を行った場合には出ないような濃い赤身の色と、養殖により増す脂身の絶妙なバランスを楽しめるという。今後は出荷上限数を一定数にコントロールすることでブランド力を高めていくとのこと。“養殖物”というイメージを払拭するようなおいしいマグロが食べられるかもしれない。


photo 会場では「まぐろの生コラーゲン」をサラダに盛られたカタチで試食も

 マグロ資源を余すことなく生かそうとしたグルメもある。中部食品が販売を担当する「まぐろの生コラーゲン」が、その1つだ。

 従来は廃棄処分されることが多かったマグロの皮やうろこには、実はコラーゲンが豊富に含まれている。動物性のコラーゲンでありがちな臭みはなく、溶解温度も低いため食べた時に体内へ吸収されやすいという。実際に試食してみたところ、ゼリー状ながらもしっかりし、つるつるとした食感を持つため、口の中で少しだけ溶けるような感触を味わうことができる。サラダやコラーゲン鍋として楽しむだけでなく、この絶妙な食感を生かしてデザートとして食してもいいだろう。


 中部食品の鈴木覚取締役店長にオススメの食べ方をうかがったところ「ポン酢をかけてもおいしいし、ブルーベリージャムをのせてもおいしい。黒蜜とキナコもおいしいですよ。無味無臭だからどんな食材とでも合います」とのこと。健康にも良く、新食感なデザートをぜひ試してみてほしい。

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