ニュルのオールドコース上には白いペンキ……なのでしょうか? 車両開発に携わった方や熱狂的なファンなどがコース上にさまざまな落書きを残しています。メーカーのロゴマークや個人の名前など色々ですが、走行中集中力が削がれないかな、と気になっていたのです。日本のサーキットにはああいった感じの落書きなんて、ありませんよね。
「いや、案外気にならないよ!それどころか、落書きがブレーキングポジションの目印になったりするし」ですって!
結果、スバル・インプレッサは燃料系のトラブルを抱えつつも総合57位、クラス5位にて見事フィニッシュ!
このスバルテントの隣は同じくジャパンパワー、ファルケンのテントでした。
こちらもスタート直後にお邪魔してみれば、案外皆さんリラックスムード。スーパーGT300クラスでお馴染みの田中哲也選手、星野一樹選手は仮眠室のベッドでくつろいでいらっしゃいました。
調子はどうですか? との質問に、「なんとも言えないね、まだスタート直後だから」と答えつつもその表情は和やか。
また、スーパーGT500クラスに参戦中のピーター・ダンブレック選手には1回目の走行が終わった段階でお話をうかがうことができましたが、これまた笑顔で「So so」。ピーター選手はもともと非常に人当たりの柔らかい方なのですが、皆さんのこの反応からして、今思えば相当信頼できるマシンの仕上がりだったんでしょうね。コースサイドで観戦していても、その安定した走行のままチェッカーを受けるかと思わせたほどです。
24位からスタートしたファルケンZは9位までジャンプアップ! ドイツのNISSANファンの歓声を浴びていました。しかし残念ながらレースも残りわずかとなった時にパワステにトラブルが発生、ここで23位まで順位を落としてしまいました。結果クラス13位でフィニッシュ!
競合ひしめく中、ベスト10が見えていただけに悔しさを拭えないファルケン勢。田中哲也選手にインタビューしましたが、「本当に悔しいです、あと少しだったのに」と表情を曇らせていました。
我々が期待するのはただひとつ・・・来年はGT-Rで! ドイツ人ジャーナリストもリクエストしていました。
ちょっと長めのコラムになってしまいましたが、最後にお伝えしたいのがチェッカーの様子。
耐久レースのゴールの瞬間は、ほんとうに特別です。これは国内レースも国外レースも変わりないんだな、というのが印象を受けました。
達成感、連帯感、心地よい疲労。チームごとに行われるビールかけ。
お互いがお互いの健闘を称えて祝いあうんですね。
私、ただのプレスだったのに、思わずほかのチームクルーの涙をみてもらい泣き。チームの数だけドラマがあり、苦悩があり、喜びがある。いつも耐久レースには、モータースポーツの原点が見えるような気がしてしまうのです。
お送りしてきました、イマイ的ニュルナビ。初めてのニュルに戸惑いつつも、とても貴重な体験をさせていただくことができました。もしあなたがニュルに行こうかどうか悩んでいて、真剣に検討しているならば、ぜひ、行ってみてください。
そのナマの迫力に、もっとレースを好きになれることでしょう。
今井優杏(イマイ ユウキ)
2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!
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