女性に一目置かれる“お茶のイロハ”を勉強してきました+D Style News

» 2008年04月03日 19時49分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 心地よい日差しと若葉あふれるこの季節にぴったりの飲み物といえば、やっぱり“お茶”。産地や気候、季節によってさまざまに風味を変えるお茶には、ワインやコーヒーにも負けない、“男のこだわり”を見せることができる奥深さがあるという。今回はそんなお茶の選び方や、美味しく飲むためのテクニックを、400種類以上のお茶を販売する専門店「ルピシア」にうかがった。

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photophotophoto 国内に80店舗以上を展開するルピシアの本店は自由が丘にある。お茶はもちろんのこと、自家製の天然酵母パン、ケーキ、茶器や食器など、“お茶”するために必要なものはすべて買うことができる。試飲カウンターでは“お茶のコンシェルジュ”なるスタッフが、膨大な茶葉の種類からそれぞれの要望に合ったお茶をセレクト。さらに2階にはランチや軽食を楽しめるティーサロンがあり、日差しをたっぷり取り込んだ明るい店内で、世界の茶器を眺めながらゆったりと食事を楽しめる
photo 田之畑さん

 今回、“お茶のイロハ”を教えてもらおうと訪ねたのはルピシアの自由が丘本店。店内に入ると、ずらりと並ぶ茶葉のサンプルに目を奪われる。どれを選んでいいものか見当が付かないが、そんな人に同社ティースクール講師・田之畑 宏樹さんが薦めてくれたのが紅茶の「ダージリン」だ。

 「紅茶生産の中心地であるインドの中でも、全体の1%ほどしかない高級な茶葉がダージリンです。私たちは“紅茶の女王”とも呼んでいます。ダージリン地方でしか生産できず、たとえ同じ木を別の地方で栽培したとしても、同じ味にはなりません」

 さらに、そのダージリンのなかでも今“旬”なのが、ファーストフラッシュと呼ばれる春摘み茶。ダージリンの旬は、3〜4月に摘まれるファーストフラッシュ、5月後半〜6月のセカンドフラッシュ、10月中旬〜11下旬にかけてのオータムナルとあり、その中でもファーストフラッシュは、みずみずしいさわやかな味わいが特徴だという。また、それぞれの農家の銘柄で売られる旬の茶葉は、ブレンドのものと違って売り切れればその年の購入はできなくなる。まさに季節の飲み物なのだ。


photo 手前の茶葉が、ダージリンのファーストフラッシュ。飲んでみると、普通の紅茶よりもずっとさわやかで、緑茶にも似た味わいを楽しめた
photo チップは青みのある茶葉では白っぽく、茶色の茶葉ではオレンジ色になる

 ところで、野菜や果物には“美味しいものを見分けるポイント”があることが多いが、茶葉に関してもポイントがあるのか聞いてみた。

 「茶葉の見た目や香りだけで風味を見抜くのは、実はプロでも難しいです。一番は、やはり試飲すること。あとは、一概には言い切れませんが、チップと呼ばれる新芽の部分が多く入っているものが高級とされることもあります」

 美味しい茶葉を手に入れたなら、やはり上手にお茶をいれて茶葉の持つ最大限の味を楽しみたい。そのためにはまず「茶器を温める」ことが基本だという。茶葉にお湯を注いだときに、温度が下がるのを防ぐためだ。お湯の温度は、「香りを大切する茶葉は熱湯で、味を重視する茶葉は低温で」という大まかな違いがあるという。

 「日本茶などは低温で入れるものが多いです。それと、今回の春摘みダージリンの場合も、85〜95度ほどの低温で入れるのがいいでしょう。青みと渋みの強すぎない、さわやかな風味になります」

photophoto 茶こしにいたるまで丹念にあたためる
photophoto 1杯のお茶に、スプーン1杯の茶葉が目安。大きい茶葉の場合は、隙間が空くことを考えスプーン山盛りがベスト

 蒸らしの時間は茶葉の大きいものは長めに、小さい茶葉では短めにする。春摘みダージリンの場合は2〜2.5分が目安だが、美味しく入れるポイントは「こまめに試飲すること」だと田之畑さんは話す。「色を見て判断される方もいますが、やはり一番いいのは目安の時間の前後で実際に飲んでみることです。例えば春摘みダージリンの場合は、通常の紅茶に比べかなり色が薄いので、普通の紅茶のような色になるまで待っていると味は渋くなってしまいます」。

 こうして自分の好みの味に仕上がったら、茶こしを外に出し、ティーカップに注ぐ。これで、いつもとちょっと違う“お茶”が楽しめるはずだ。

photo 左が春摘みダージリン、右は夏摘みのもの。色だけでなく、味の雰囲気も大きく違う

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