クーペ+SUV+ハイブリッド=BMW コンセプトX6+D Style モテるクルマの選び方

» 2007年11月06日 11時00分 公開
[今井優杏,ITmedia]

photo 「コンセプトX6アクティブハイブリッド」。これはフランクフルトショーでの写真です

 東京モーターショーのBMWブースには、フランクフルトモーターショーで世界初公開となった「コンセプトX6アクティブハイブリッド」がやってきました。

 フランクフルトでこのX6を見たときは、その迫力のスタイリングにドギモを抜かれた私ですが、同じようにその独特の美しさに驚かれた方も多いのではないでしょうか?


photo 真上から見たX6。流れるような造型と、肉感的なプレスラインが美しい!!

 フランクフルトショーのBMWブースは、なんと驚くべきことに、エスカレーター付の2階建てのブースを造っちゃう(!!)気合の入れようでした。おかげで幸いにも、このX6を、真上から見ることができたわけです。

 よく考えてみれば、新車を真上から見ること……って、なかなか出来ない体験ですよね。


photo コチラはフランクフルトショーに展示されていたハイブリッドではないX6コンセプト。よりシックなお色で迫力3割増しです

 そのフランクフルトBMWブースにて、2階から見下ろした会場内。ひときわ人だかりが目立つクルマがありました。イルカのようにすべらかに美しい流線型をした、「ん? あれはおっきなクーペ?」と見紛うスタイル。

 それが「スポーツ・アクティビティ・クーペ」X6だったのでした。

 どうなってんの? と慌てて1階に降り、その人だかりの一部に参加したのは言うまでもありません。


photo サイドビュー。まっすぐなショルダーラインはBMWらしいスタイリング

 上半分を見ればフロントガラスは強く傾斜し、まさにクーペそのもの。そこにSUVの下半身が付いているのですから、押してくるような迫力さえ感じます。

 ボディサイズに対して、小さめに配置されたサイドウインドゥからは躍動的なスポーティさが香り、X5よりもさらに都会的でスタイリッシュ。

 まるで疾走しているかのような風の流れまで見えてきそう。


photo リアビュー。ぷりっとグラマーですよね!!

 特に美しいのがリアのきゅっと締まったデザインで、ボリューム感は残しながらも跳ね上げるようなラインが特徴的です。全長は4877ミリ、全幅は1983ミリとX5よりやや大きいのですが、それがまたこのX6にさらなるラグジュアリー感を与えて……う〜ん、うっとり。

 ただ、北米戦略車だけあって、やっぱりこのサイズは都内での取り回し、難しいかもしれません。立体駐車場なんて、断られちゃうんじゃないかしら。


photo リアサイドから。ボディの下半分を隠してみて!!ね、クーペでしょ?!会場では同じように手で隠してナットクしている方がたくさんいらっしゃいました

 BMWは自社のSUVタイプのモデルを独自に「SAV」と呼んでいます。これは「スポーツ・アクティビティ・ビークル」の意ですが、このX6に与えられたのは「スポーツ・アクティビティ・クーペ」の名。

 もしやこれは、新しいセグメントとして確立されていくのかしら……と、期待を抱かずにはいられません。

 なぜって、そうなれば、X5に対してのX3的存在になるモデルの誕生も、誕生してくる可能性だって生まれるからです。都心部で生活してると、やはり駐車場問題は避けて通れないですものね。


photo これが2モード式のハイブリッドシステムのテクノロジー!!

 今回、東京モーターショーに展示されている「X6アクティブハイブリッド」は、GM、メルセデスと共同開発をした2モーター式のフルハイブリッドを搭載したモデル。これはノーマルに比べて20%の低燃費化を図ります。

 同じ2モーター式であるトヨタのハイブリッドとよく似ていますが、こちらは速度に応じて2つのモーターを切り替えて使うことにより、プリウスの弱点だった高速走行時のパワー不足だけでなく、同走行時の燃費の低下をも解消しました。

 こういったドラマティックなスタイリングのクルマに高速走行時の快適さを付加したら、さらにロングドライブが楽しくなりそう!

 しかも環境性能に特化したモデルなら、キャンプに行ったり釣りを楽しんだり……の「大自然の中にお邪魔させていただくシチュエーション」にも気後れすることはありません。

 これはオシャレ!! かつ「環境に優しいクルマでキャンプに連れてきてくれるなんて……インテリジェンスあふれる方だわ!! 素敵!!」と、一気にモテてしまうかも!!

 以前、X5に試乗した際、気になったのがやはり燃費でした。

 特にダイナミックな加速が楽しめるV8の4.8iは、ドライビングの楽しさこそピカいちでしたが、やはり燃費の面で不安が残り、環境には厳しい……。

 その点、ロングドライブを日常とする欧州や北米ターゲットで開発された、高速域までカバーしてくれるフルハイブリッドの登場には、ココロ躍ります。

 都心部以外で生活し、通勤や普段の生活の移動すべてをクルマに頼る方々には、パワーの面でも燃費の面でも、非常に頼もしいクルマとなるのではないでしょうか。

 このX6、「コンセプトカーと非常に良く似たモデルを2009年に市場投入する」予定だそう(プレスリリースより)。共同開発したメルセデスはこれをMLクラスに搭載し、2009年に発売。そしてGMはシボレー・タホに搭載し、2008年に発売します。


photo おまけ。本文中には出てきませんが、こちらも東京モーターショーに出展されている1シリーズクーペです。写真のものは欧州仕様の「123クーペ」で、204馬力、新型2000cc直4ディーゼルエンジン搭載。東京にはガソリンエンジンの直6がやってきます。 2ドアでカッコカワイイ!! ラグジュアリー感ありながら、賢さのあるオトナのやんちゃさも演出できちゃいます

 世界的なブームであるSUVですが、同時に大排気量から環境への悪影響がささやかれてきたのも事実。ハイブリッドという面では、ドイツ車メーカーは日本のメーカーに遅れを取り、欧州の政治家に強く批判されてきました。

 日本のみならず、ドイツでもガソリンの価格は高騰し、リッター200円を超えようとしています。

 こうして各社が共同開発し、世界的に日本発以外のハイブリッドが発信されていけば、メーカー同士の自由競争を生み、更なる技術向上を見込めるということになるのでしょう。

 そうすれば、ユーザーには、高騰し続けるガソリンの値段を横目で見ながら、うらめしい思いで自動車をあきらめるのではなく、わずかなガソリンで快適に移動できるエンジンを供給してもらえる日が近づくのです。

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筆者プロフィール

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今井優杏(イマイ ユウキ)

2006年にレースクイーンを引退し、レースを通じて知ったクルマの素晴らしさを伝えたい! とモータージャーナリストに転身。また、MCとしても、モータースポーツ関連イベントを中心に幅広く活動中。
愛車はFIAT・バルケッタ(赤)。ラテンのクルマを愛する情熱系。
クルマは所有も運転もJOIA(喜び)。もっと楽しみましょう!!


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