+D Style News:ボタン1つで簡単変速――ホンダが次世代AT搭載スポーツバイクを市販化

本田技研工業が、独自ATシステム「HFT」を搭載したスポーツバイク「DN-01」を市販化する。ボタン操作でシフトチェンジが行え、スクーター感覚でスポーツモデルを楽しめる「HFT」とは?

 本田技研工業は10月4日、二輪車用の新型オートマチックトランスミッション(AT)「油圧機械式無段変速機 HFT(Human―Friendly Transmission)」を開発したと発表。HFT搭載のスポーツバイク「DN-01」を、市販予定車として2007年の東京モーターショーで公開する。

photo DN-01

 現在、二輪車用ATはスクーターを中心に広く普及しているが、より趣味性の高いスポーツモデルのバイクにも、気軽に操作できるATへの要望が高まっている。

 スポーツバイクならではの乗り味を維持しつつ、足やクラッチによるシフトチェンジのわずらわしさをなくしたHFT。この画期的なATシステムを搭載し、操作の簡単さを追求したDN-01は、2005年の東京モーターショーでコンセプトモデルとして発表された。

 今回、市販化が予定されているDN-01には、走行モードとして一般走行に適した「Dモード」とスポーツ走行を可能にする「Sモード」を備えているほか、ボタン操作でマニュアル走行を楽しめる「6速マニュアルモード」を搭載している。

 680ccのV型2気筒エンジンを搭載し、全長は2345ミリ。スポーツバイクらしいシャープで流線的なフォルムを持ちながら、足やクラッチを使ったシフトチェンジをなくしたことで、ライディングポジションはクルーザーに近いゆったりとしたものになっている。

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 ハンドル右側にはニュートラルとドライブを切り替えるスイッチに加え、AT/MTを切り替えるレバーが取り付けられている。Dモード/Sモードの切り替えはハンドル左側にあるボタンで選択でき、MTモードを選択した場合は同じボタンでシフトアップ/ダウンの操作を行なう。

photophotophoto ニュートラルとドライブの切り替えスイッチ(左)。AT/MTを切り替えるレバー(中央)。走行モード選択/シフト操作を行なうスイッチ(右)

 ボタンによるマニュアル変速は、すでに同社ビックスクーター「フォルツァ」に搭載されている「Sマチック」で実現している。だが、これらスクーター用のATシステムは、マニュアルトランスミッションに比べて大きく重いため、スポーツタイプのバイクには不向きだった。

photo 吉田氏

 「従来のビックスクーターなどではベルト式の無段変速が主流だが、変速ユニットにはドライブ側とドリブン側の2軸が必要とされる。新型HFTは油圧機械式を採用しユニットを1軸で構成することで、小型化と軽量化を実現した」(HFT設計の主任研究員・吉田圭宏氏)。

photophotophoto 既存車と新型の変速ユニットの比較(左)。HFTの内部構造説明(中央)。オイルポンプがエンジンからの動力を油圧に変換し、その油圧をオイルモーターが再び動力に変換して後輪に伝える。HFTのカットモデル(右)

 「革新的デザイン」「二輪車ならではの乗り味」「イージーな操作」――スポーツバイクに求められるこの3要素は、従来、相反するものだった。今回のHFTは、そのコンパクトなユニットがデザインの自由度を高め、高効率なトルク伝達能力はバイクならではの乗り味を発揮し、多彩な変速モードはイージーかつスポーティなライディングを楽しむことができる。

 スポーツバイクの新しい世界を予感させるこの新技術に期待したい。

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